必携品の数は、Mt.FUJI 100 が19品目、伊豆トレイルジャーニーが20品目、信越五岳が12品目。ハセツネCUPは、必携が主催者指定の発信機だけで、水もライトも「推奨」です。数字で指定があるのは、ライトの明るさ、水の量、ブランケットの大きさなど7項目でした。
シューズオタクの本命
Mt.FUJI 100 の19品目でそろえて、足りない6つを足す。4大会のリストは大部分が重なっていて、19品目を持っていれば、伊豆に足りないのはコンパス・保険証・顔写真付きの身分証、信越に足りないのは熊鈴・ポイズンリムーバー・着替え用の長袖ベースレイヤーだ。大会ごとに買い直す物は、ほとんど無い。
この記事の要点
- ライトの明るさを数字で決めているのは Mt.FUJI 100 だけ。80ルーメン以上を4時間以上
- レインウェアの耐水圧は、伊豆が10,000mm以上を「奨励」。ほかの3大会に数字は無い
- Mt.FUJI 100 は装備の総量にも下限がある。エイドを出るとき2kg超、コース上で1kg以下は不可
ハセツネは、水もライトも「推奨」だった
トレイルランの大会には、どこも長い必携品のリストがある。そう思って4大会の公式ページを開くと、1つだけ様子が違います。
ハセツネCUP(日本山岳耐久レース)の競技規則は、水2リットル以上、防寒具を兼ねた雨具、行動食、ライトを「推奨する」と書いています。必携装備としているのは、主催者が指定する発信機だけ。それ以外の装備は「制限しない」です。
71.5kmを24時間以内、夜の山を越える大会で、ライトが必携ではない。持たなくてよい、という意味ではありません。何を持つかを選手が自分で決める、という作りです。
残りの3大会は、品目を1つずつ決めています。読んだのは次の4つのページです。
| 大会 | 読んだ版 | 距離・制限時間 | 必携の数 |
|---|---|---|---|
| Mt.FUJI 100(FUJI100mi/KAI70k) | 2026年10月13日時点の競技規則。大会要項は2027年4月23〜25日の回 | 165.3km・45時間30分/67.9km・21時間 | 19 |
| ハセツネCUP | 第34回(2026年10月11〜12日) | 71.5km・24時間 | 1 |
| 伊豆トレイルジャーニー(ITJ70k) | 2026年12月13日の回(7月11日現在の注記) | 約69.1km・14時間 | 20 |
| 信越五岳(100mile/110km) | 2026年9月21〜23日の回 | 163km・33時間/112km・22時間 | 12 |
品目ごとの比較
4大会のリストを、品目で横に並べます。「記載なし」は、読んだ公式ページにその品目が出てこない、という意味です。
表は横に動かせます →
| 品目 | Mt.FUJI 100 | ハセツネ | 伊豆 | 信越五岳 |
|---|---|---|---|---|
| 水 | 必携 | 推奨 | 必携 | 必携 |
| 食料 | 必携 | 推奨 | 必携 | 必携 |
| ライト | 必携(2個) | 推奨 | 必携(2個) | 必携(2個) |
| レインジャケット | 必携 | 推奨(雨具) | 必携 | 必携 |
| レインパンツ | 必携 | 記載なし | 推奨 | 必携 |
| サバイバルブランケット | 必携 | 記載なし | 必携 | 必携 |
| ホイッスル | 必携 | 記載なし | 必携 | 必携 |
| ファーストエイドキット | 必携 | 記載なし | 必携 | 必携 |
| 携帯コップ | 必携 | 記載なし | 必携 | 必携 |
| 携帯電話 | 必携 | 記載なし | 必携 | 必携 |
| テーピング用テープ | 必携 | 記載なし | 必携 | 推奨 |
| 手袋 | 必携 | 記載なし | 必携 | 推奨 |
| 携帯トイレ | 必携 | 記載なし | 必携 | 記載なし |
| モバイルバッテリー | 必携 | 記載なし | 記載なし | 強く推奨 |
| コンパス | 推奨 | 記載なし | 必携 | 推奨 |
| 熊鈴 | 推奨 | 記載なし | 推奨 | 必携 |
| ポイズンリムーバー | 記載なし | 記載なし | 推奨 | 必携 |
| 主催者指定の発信機 | 推奨(貸し出し) | 必携 | 記載なし | 記載なし |
3大会がそろって必携にしているのは、水、食料、ライト2個、レインジャケット、サバイバルブランケット、ホイッスル、ファーストエイドキット、携帯コップ、携帯電話の9つです。ここが土台になります。
大会の色が出るのは、表の下のほうです。信越五岳は熊鈴とポイズンリムーバーを必携に入れ、伊豆はコンパスを必携に入れています。Mt.FUJI 100 は、モバイルバッテリーと携帯トイレまで必携です。
公式が数字で決めている7項目
「ライト」「雨具」と書かれていても、どの程度の物かは大会で違います。数字の指定を抜き出しました。
表は横に動かせます →
| 項目 | Mt.FUJI 100 | ハセツネ | 伊豆 | 信越五岳 |
|---|---|---|---|---|
| ライトの明るさ | 80ルーメン以上を4時間以上 | 指定なし | 指定なし(動作確認済みの2個) | 指定なし(夜に走れる明るさ) |
| ライトの数 | 2個+それぞれの予備電池 | 指定なし | 2個 | 2個+それぞれの予備電池 |
| 水の量 | 1L以上(スタートと各エイドを出るとき) | 2L以上(推奨) | 1L以上(スタート時) | 必要な量 |
| レインウェアの耐水圧 | 数字なし | 数字なし | 10,000mm以上を奨励 | 数字なし |
| ブランケットの大きさ | 130cm以上×200cm以上 | 記載なし | 指定なし | 指定なし |
| テープの大きさ | 指定なし(強いテープ) | 記載なし | 80cm×3cm以上 | 指定なし |
| コップの容量 | 150cc以上 | 記載なし | 150cc以上 | 指定なし |
ライト:80ルーメンと、4時間
明るさを数字で決めているのは、Mt.FUJI 100 だけです。80ルーメン以上を、4時間以上照らせること。それを2個と、それぞれの予備電池。
計算すると、ライト2個と予備2組で、4時間 × 4 = 16時間ぶんの明かりを持つことになります。FUJI100mi の制限時間は45時間30分で、スタートは金曜の17時。夜を2回越える前提の数字です。
条件は、明るさと時間の組です。見るべきは、最大の明るさより「80ルーメン以上で何時間もつか」。商品のスペック表で、明るさと点灯時間が組になって書かれている行を読みます。
最大の明るさだけが大きく書かれた商品は、この条件を確かめられません。
信越五岳は、充電器を予備の代わりにできません。スマートフォンのライトも不可です。2個目は、小さくても独立したライトにします。
トレイルラン用ヘッドランプ
楽天市場で見るレインウェア:数字より、3つの条件
耐水圧を数字で出しているのは伊豆だけで、10,000mm以上を「奨励」しています。必須の線ではありません。
3大会に共通しているのは、数字ではなく次の3つです。防水と透湿の両方があること。縫い目がシームテープでふさがれていること。フードが付いていること。
ここで落ちるのが、はっ水だけのウインドシェルです。軽くて小さくなりますが、縫い目の加工が無い物は、3大会とも必携のレインジャケットとして通りません。商品ページでは「シームテープ」「シームシーリング」の語を探します。
パンツの扱いは分かれます。Mt.FUJI 100 と信越五岳は上下とも必携、伊豆はパンツが推奨です。Mt.FUJI 100 は、保温用のタイツとレインパンツの兼用も認めていません。
トレイルラン用レインジャケット(シームテープ・フード付き)
楽天市場で見るブランケット:130×200cmは、体を包める大きさ
Mt.FUJI 100 は、サバイバルブランケットを130cm以上 × 200cm以上と決めています。面積にすると、130 × 200 = 26,000cm²、つまり2.6m²。畳1枚半ほどで、大人が全身をくるめる大きさです。
シートの寸法は、商品ごとに違います。袋に書かれた寸法を読んでから買います。Mt.FUJI 100 は、袋の形をしたエマージェンシーヴィヴィを勧めています。
なぜここまで決めるのか。公式ページに理由が書いてあります。動けなくなった選手のもとへ、主催者は連絡から3時間以内の到着を目指す。ただし FUJI100mi と KAI70k では、6時間以上かかることもある。
寒い風や冷たい雨の中で6時間待つことを想定して装備を選ぶように、という説明です。
必携品は、走るための道具ではなく、止まったあとの6時間のための道具。そう読むと、ブランケットの寸法も、フリースも、指先まである手袋も、同じ線の上に並びます。
エマージェンシーシート(130×200cm以上)
楽天市場で見る水の重さを計算する
水は1Lで約1kgです。Mt.FUJI 100 と伊豆は、1L以上。ソフトフラスク500mlを2本で、ちょうど届きます。
ハセツネは考え方が違います。水場は3か所だけで、主催者が渡すのは月夜見第二駐車場での1.5L以内。残りは自然水の水場と御岳神社です。決められた水場のほかで補給を受けると、失格になります。
推奨の2Lを背負って出て、月夜見で1.5Lを受けると、2 + 1.5 = 3.5L。71.5km ÷ 3.5L = 約20kmを1Lで進む計算です。スタートの時点で、水だけで約2kgを背負います。
だからハセツネでは、ザックの水の容量が先に決まります。フラスク2本の1Lでは、推奨の半分です。背中にハイドレーションを入れるか、フラスクを足せるベストを選びます。
ソフトフラスク 500ml
楽天市場で見るMt.FUJI 100 の「2kg」の決まり
Mt.FUJI 100 には、品目とは別に、重さの決まりがあります。装備の総量は、スタートのときと、どのエイドを出るときも2kgを超えていること。コース上のどこでも、1kg以下になってはいけない。
水1Lは約1kgです。2kg − 1kg = 1kg。水のほかの装備で、およそ1kgが要る計算になります。そして水を飲み切っても1kgを下回れないので、残りの18品目と食料で1kgを超えている必要があります。
軽い道具を選び抜いた人ほど、この線に近づきます。台所のはかりにザックごと載せて、水を抜いた重さを見ておく。軽くするのは、1kgの線の手前までです。
必携品が全部入る大きさのザックも、19品目の1つに数えられています。レインの上下、フリース、ブランケットまで入れるので、短い大会用の小さいベストでは足りなくなります。
トレイルラン用ザック/ベスト
楽天市場で見る小物でつまずく所
大きな道具より、小物のほうが見落としやすい。数字や条件が付いている物を並べます。
- 携帯コップ:Mt.FUJI 100 と伊豆は150cc以上。Mt.FUJI 100 と信越五岳は、エイドに紙コップが無いと書いています。伊豆はビンが不可です。
- テープ:伊豆は80cm × 3cm以上。面積で240cm²です。ロールのまま持つ必要は無く、長さを測って巻き直せます。
- 手袋:Mt.FUJI 100 と伊豆は、指先まで覆う物。指なしは通りません。
- 後ろ向きの明かり:Mt.FUJI 100 は点滅ライト、伊豆は自分で光る目印。光らない反射材は、伊豆では不可です。
- 熊鈴:信越五岳は必携。住宅の近くの禁止区間では、音を止められる物が要ります。Mt.FUJI 100 にも熊鈴の禁止区間があります。
携帯用ファーストエイドキット
楽天市場で見る信越五岳に出るなら、熊鈴とポイズンリムーバーが加わります。熊鈴は、音を消す仕組みが付いた物を選びます。
熊鈴(消音できる物)
楽天市場で見るそろえる順番と楽天の値段
値段の大きい物から先に決めると、残りの予算が見えます。
| 道具 | 見る所 | 楽天の値段 |
|---|---|---|
| レインジャケット | シームテープ・フード・透湿 | 26,400円 |
| ザック/ベスト | 水の容量と、全部入る大きさ | 7,511〜27,500円 |
| ヘッドランプ | 80ルーメン以上での点灯時間 | 7,150〜25,830円 |
| ソフトフラスク | 500ml × 2本で1L | 1,580〜8,501円 |
| エマージェンシーシート | 130 × 200cm以上 | 598〜4,972円 |
| ファーストエイドキット | 絆創膏・消毒薬 | 1,163〜4,400円 |
| 熊鈴 | 音を止める仕組み | 830〜5,500円 |
このリストで足りない人、要らない人
弱点も書いておきます。この記事の表は、4大会の公式ページを2026年10月13日に読んだ内容です。必携品は年ごとに変わります。申し込んだ回の案内が出たら、そちらが正しい。
Mt.FUJI 100 自身も、必携品は「最低限の装備」だと書いています。リストをそろえれば十分、という意味ではありません。天気と自分の力に合わせて足すのは、選手の側です。
反対に、20km前後の短い大会に出る人は、ここまでの装備を求められないことが多い。Mt.FUJI 100 でも、38.5kmの ASUMI40k はライトが1個、雨具はジャケットだけです。
先に、出る大会のリストを読みます。屋内のレースの持ち物は、ハイロックスの持ち物の記事にまとめています。
よくある質問
必携品を忘れると、どうなりますか
Mt.FUJI 100 は、レースの途中でも必携品を調べることがあり、欠けていればその場で失格になることがある、と書いています。伊豆は、ナンバーカードを受け取るときに装備を調べ、そのあとの変更を認めていません。
ハセツネは、必携の発信機のほかは選手に任されています。失格になるのは、ビブを着けなかったときや、決められた水場のほかで補給を受けたときです。
ヘッドランプは何ルーメンあれば足りますか
公式の下限は、Mt.FUJI 100 の80ルーメン以上・4時間以上です。ほかの3大会は数字を出していません。下限を超える明るさをどこまで足すかは、公式ページには書かれていません。
買うときは、明るさごとの点灯時間が書かれた商品を選ぶと、4時間の条件を確かめられます。
ポールは使えますか
大会で分かれます。ハセツネは、スタートから第1関門の浅間峠まで使えず、その間はザックに付けておきます。Mt.FUJI 100 は、FUJI100mi の F5 より先だけで使え、公式は試験的な運用だと書いています。
伊豆と信越五岳のポールの決まりは、今回読んだページでは未確認です。