On のロード用は、いちばん軽い Cloudboom Strike 2 が191g、安定用の Cloudrunner 3 が311gで、120gの開きがあります。毎日の練習なら Cloudsurfer 2、長い距離なら Cloudsurfer Max、フルとハーフの本番なら Cloudboom Strike 2。役割を先に決めれば、候補は2足まで減ります。
シューズオタクの本命
On は「板が入っているか」で上下を決めない。毎日用の Cloudsurfer 2 も、速い練習用の Cloudmonster 3 Hyper も、公式は板をわざと外したと書いている。
走りの性格を決めているのは、底にあいた穴の形と、フォームの種類の組み合わせ。だから私は、板の素材より先に、穴が斜めか、六角か、溝かを読む。
この記事の要点
- 同じ Cloudsurfer でも、2 は高低差9mm、Max と Next は6mm
- Cloudmonster 3 Hyper は、板を抜いて Cloudmonster 3 より42g軽い
- 1gあたりの値段は、Cloudboom Strike 2 が約184円、Cloudrunner 3 が約60円
「板入りが上位」という見方は、On では通らない
ランニングシューズは、板が入っているほうが上のモデル。ほかのメーカーの棚を見慣れていると、そう読みたくなります。On の公式ページを1足ずつ開くと、この読み方が合いません。
毎日用の Cloudsurfer 2 は、公式が「Speedboard をあえて外し」と書いています。速い練習用の Cloudmonster 3 Hyper も「プレートを意図的に外し」。板を抜くことを、作りの特徴として説明しているブランドです。
この記事は、マラソン・ハーフ・ふだんのランで選ぶ人向けに、12モデルを役割で分けます。ジム用とハイロックスでの選び方は、On のシューズをハイロックス目線で選ぶ記事に分けてあります。
選んだ条件と、12モデルの一覧
条件は3つです。On の日本公式に2026年10月13日の時点で現行として載っていること。重さとかかとの高低差が公式ページで読めること。公式が書く用途が、6つの役割のどれかに当てはまること。
表は横に動かせます →
| モデル | 役割 | 重さ | 高低差 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| Cloudsurfer Max | クッション(長い距離) | 292g | 6mm | 23,100円 |
| Cloudsurfer 2 | 毎日の練習 | 261g | 9mm | 20,900円 |
| Cloudsurfer Next | 毎日の練習(軽快) | 273g | 6mm | 18,700円 |
| Cloudmonster 3 | 毎日の練習(反発) | 295g | 6mm | 24,200円 |
| Cloudrunner 3 | 安定 | 311g | 8mm | 18,700円 |
| Cloudmonster 3 Hyper | スピード(長い距離も) | 253g | 6mm | 27,500円 |
| Cloudflow 5 | スピード(短・中距離) | 278g | 8mm | 23,100円 |
| Cloudboom Strike 2 | レース(フル・ハーフ) | 191g | 5mm | 35,200円 |
| Cloudboom Volt | レース(10km〜ハーフ) | 210g | 5mm | 26,400円 |
| Cloudboom Max | レース(フルを完走ペースで) | 296g | 8mm | 28,600円 |
| Cloudvista 3 | トレイル(40kmまで) | 298g | 5mm | 22,000円 |
| Cloudultra 3 | トレイル(超長距離) | 295g | 6mm | 26,400円 |
ロード用の10足で、いちばん軽いのは191g、いちばん重いのは311g。差は120gです(311 − 191)。高低差は5mmから9mmまであり、同じ名前の兄弟でも違います。
4つの言葉が、何をする物か
On の商品ページは、4つの言葉の組み合わせで書かれています。ここを先に読めるようにしておくと、新しいモデルが出ても自分で役割を当てられます。
CloudTec:底にあいた穴
公式の説明では、CloudTec は「構造的なクッショニングシステム」。フォームの素材ではなく、フォームの形のことです。モデルごとに形を変えて、走りの性格を作り分けている、と書かれています。
公式の技術ページは例を2つ挙げています。Cloudrunner は接地面を広げて横ぶれを抑える形。Cloudmonster は六角形の穴が着地の力をため、蹴り出しに変える形。同じ CloudTec でも、安定用と反発用で別物です。
CloudTec Phase:斜めに並べた穴
Phase は、穴を斜めに並べた版です。公式は「ドミノ倒しのように順繰りに圧縮する」と説明しています。かかとからつま先へ、穴が順番につぶれていく。その結果、着地から蹴り出しへの重心の移動がなめらかになる、という理屈です。
ここが、読者に知ってほしい仕組みです。Phase は穴のつぶれる順番で前へ転がす作りなので、板に頼らずに済みます。Cloudsurfer 2 が板を外しているのは、この形と組み合わせた結果です。
レース用の Cloudboom Strike 2 だけは、CloudTec Sphere という別の形です。公式の説明では、要所に入れた溝がフォームを的確に縮ませ、伸ばす作り。穴ではなく溝、と覚えておけば足ります。
Speedboard:前足部でしなる板
公式は Speedboard を「推進力とランニング効率を高めるプレート」と説明しています。踏み込んだときに前足部でしなって力をため、蹴り出しで放す板です。素材・形・厚み・曲がり方は、モデルごとに変えてあります。
素材まで書かれているのは、速い側のモデルです。Cloudboom Strike 2 と Cloudboom Volt はカーボンファイバー配合。
Cloudflow 5 はグラスファイバー強化ナイロン、Cloudboom Max はグラスファイバー配合。トレイルの Cloudultra 3 はナイロン配合です。
Helion と Helion HF:フォームの種類
Helion は、公式の説明では「サポート力と安定感に優れたフォーム」。毎日用と安定用の土台です。Helion HF は「超軽量ハイパーフォーム」で、公式はエネルギーリターンの高さを挙げています。速い側のモデルに使われます。
2つを重ねたモデルもあります。Cloudmonster 3 Hyper は、上が Helion HF、下が Helion。足に近い側を反発の強い素材にして、地面の側を安定の素材にした2階建てです。
| モデル | 底の形 | フォーム | 板(Speedboard) |
|---|---|---|---|
| Cloudsurfer 2 | Phase | Helion | なし(あえて外した) |
| Cloudsurfer Max | Phase を2層 | Helion | 記載なし |
| Cloudsurfer Next | Phase | Helion | 記載なし |
| Cloudmonster 3 | CloudTec 3層(反発) | Helion | あり(素材の記載なし) |
| Cloudmonster 3 Hyper | CloudTec(反発) | 上 Helion HF/下 Helion | なし(意図的に外した) |
| Cloudrunner 3 | CloudTec(安定) | Helion | 記載なし |
| Cloudflow 5 | CloudTec(スピード) | Helion HF | グラスファイバー強化ナイロン |
| Cloudboom Volt | CloudTec(スピード) | Helion HF を2層 | カーボンファイバー配合 |
| Cloudboom Max | CloudTec(スピード) | Helion HF を2層 | グラスファイバー配合 |
| Cloudboom Strike 2 | CloudTec Sphere | Helion HF | カーボンファイバー配合 |
| Cloudvista 3 | CloudTec(軽快) | Helion | 記載なし |
| Cloudultra 3 | CloudTec(安定) | Helion HF を2層 | ナイロン配合 |
役割ごとの本命
毎日の練習:Cloudsurfer 2
なぜこれか。毎日用の3足の中でいちばん軽く、261g。Cloudmonster 3 より34g軽い(295 − 261)。板を外して Phase の穴だけで転がす作りなので、公式が書く「やさしく自然な走り心地」という説明と、中身が一致しています。
気をつける所は、高低差が9mmと、12モデルの中でいちばん大きいこと。高低差の小さい靴に慣れている人には、かかとが高く感じる数字です。速い練習まで1足で済ませたい人にも向きません。
公式の区分は「毎日のランニング」で、テンポ走の札は付いていません。
On クラウドサーファー
楽天市場で見るクッション(長い距離):Cloudsurfer Max
なぜこれか。12モデルの中で、Phase を2層に重ねているのはこれだけだからです。公式は「最大級のクッショニング」と書き、特長の欄に「長距離ランに最適」と入れています。穴の列が上下に2段あるぶん、沈みこむ幅が増える作りです。
気をつける所は重さ。292gで、Cloudsurfer 2 より31g重くなります。週に何度か短く走るだけの人は、2層のぶんの重さを持て余します。長い距離をゆっくり走る日がある人の靴です。
On クラウドサーファー マックス
楽天市場で見る安定:Cloudrunner 3
なぜこれか。12モデルの中で、公式のサポートの欄が「安定感」になっているロード用の練習靴は、Cloudrunner の系統だけです。左右で形の違うヒールクリップ、高めの側壁、広い接地面。横ぶれを抑える部品が3つ重なっています。
気をつける所は、ロード用10足の中でいちばん重い311gであること。軽さを求める人が選ぶ靴ではありません。着地で足が内や外へ流れる感じがない人は、Cloudsurfer 2 のほうが50g軽く済みます(311 − 261)。
On クラウドランナー(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るスピード:Cloudmonster 3 Hyper
なぜこれか。レース用を除くと、12モデルの中でいちばん軽い253g。公式は「長距離ランやテンポ走に最適なスーパートレーナー」と書いています。
板を外した理由を、公式は「脚への負担を軽減」と説明しています。速い練習を、板なしでくり返すための靴です。
気をつける所は2つ。値段が練習用の中でいちばん高いこと。そして、板の押し出しを求める人には物足りないことです。板のある練習靴がほしいなら Cloudflow 5。
公式は Cloudflow 5 を「短・中距離ラン向けの設計」と書いているので、距離の短い速い練習はこちらが合います。
On クラウドモンスター ハイパー(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るOn クラウドフロー(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るレース:Cloudboom Strike 2
なぜこれか。191gで、12モデルの中でいちばん軽い。公式は「マラソンとハーフマラソン向けにアスリートと共同開発」と書いています。溝の入った CloudTec Sphere と、カーボンファイバー配合の板。フルとハーフでタイムを狙う日のための1足です。
気をつける所は値段で、12モデルの中でいちばん高くなります。それと、誰にでも合うレース靴ではないこと。公式は Cloudboom Max の特長に「フルマラソンでサブ4.5を目指す方に」と書いています。
4時間半前後が目標なら、公式が名指ししているのは Max のほうです。
On クラウドブーム ストライク(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るトレイル:Cloudvista 3
なぜこれか。公式が「トレイルランニングシューズの中でも特に汎用性の高いモデル」「最大40kmのコースに最適」と書いているからです。距離の上限を数字で示しているので、自分の大会に当てはめやすい。
底のゴムは、ラグの形と向きを調整した Missiongrip です。
気をつける所は、40kmを超える大会。そこから先は、公式が「ウルトラディスタンスレースに」と書く Cloudultra 3 の役割です。Cloudultra 3 は Helion HF の2層とナイロン配合の板が入り、重さは3gしか変わりません(298 − 295)。
On クラウドビスタ(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見る兄弟モデルの違いを、数字で書き分ける
表は横に動かせます →
| 比べる2足 | 重さの差 | 高低差 | 値段の差 | 作りの違い |
|---|---|---|---|---|
| Cloudsurfer 2 → Max | +31g | 9→6mm | +2,200円 | Phase が1層→2層 |
| Cloudsurfer 2 → Next | +12g | 9→6mm | −2,200円 | 前足部のロッカー・織りのアッパー |
| Cloudmonster 3 → Hyper | −42g | 6→6mm | +3,300円 | 板を外し、上層を Helion HF に |
| Cloudrunner 3 → 3 Max | +19g | 8→8mm | +5,500円 | 上層に Helion HF を足した2層 |
| Cloudboom Volt → Strike 2 | −19g | 5→5mm | +8,800円 | 底の形が CloudTec Sphere に |
| Cloudboom Max → Strike 2 | −105g | 8→5mm | +6,600円 | 板がグラスファイバー→カーボン |
Cloudsurfer の3足
名前は同じでも、高低差が違います。2 は9mm、Max と Next は6mm。2 を基準にすると、3分の1が減る計算です(3 ÷ 9)。今の靴の高低差を先に調べて、近いほうを選ぶのが外しにくい順番です。
Next は、公式が「On 最高峰のレースシューズに着想を得たシルエット」と書く、軽快さに寄せた版。3足の中でいちばん安く、前足部がせり上がった形です。
やわらかさで選ぶなら 2 か Max、テンポを上げる日もあるなら Next。Next をゆっくり長く走る靴として買うのは、役割がずれます。
Cloudmonster 3 と Hyper
Cloudmonster 3 は板あり、Hyper は板なし。上位版のほうが板を持っていない、という珍しい兄弟です。Hyper は板を抜いて、かわりに足に近い層を Helion HF に替え、42g軽くしています。割合にすると約14%です(42 ÷ 295)。
毎日のジョグが中心で、板の押し出しがほしい人は Cloudmonster 3。週に1〜2回、速い日や長い日がある人は Hyper。ジョグしかしない人が Hyper を選ぶと、軽さと反発のぶんの値段を使いきれません。
On Cloudmonster(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るCloudboom の3足
公式の書き分けは、距離と目標です。Volt は「10kmのスピード練習からハーフマラソンまで」。Strike 2 は「マラソンとハーフマラソン」。
Max は「マラソン練習に最適」で、サブ4.5を目指す人向け。3足のうち、サポートの欄が「安定感」なのは Max だけです。
Max と Strike 2 の差は、片足105g。フルマラソンを1歩1mで走ると置くと、42,195歩、片足は約21,100回です(42,195 ÷ 2)。
105g × 21,100回で、片足が持ち上げる重さの合計は約2,215kgぶん違います。軽さは Strike 2、安定と高低差8mmは Max。
4時間を大きく超える時間を走る人が、軽さだけで Strike 2 を選ぶのは、公式の書き分けと逆になります。
ハーフまでしか出ない人は Volt で足ります。Strike 2 との差は19gで、割合にすると約9%です(19 ÷ 210)。
1gあたりの値段で見ると、何にお金を払っているかが分かる
| モデル | 重さ | 公式の値段 | 1gあたり |
|---|---|---|---|
| Cloudboom Strike 2 | 191g | 35,200円 | 約184円 |
| Cloudboom Volt | 210g | 26,400円 | 約126円 |
| Cloudmonster 3 Hyper | 253g | 27,500円 | 約109円 |
| Cloudboom Max | 296g | 28,600円 | 約97円 |
| Cloudsurfer 2 | 261g | 20,900円 | 約80円 |
| Cloudrunner 3 | 311g | 18,700円 | 約60円 |
軽い靴ほど、1gあたりが高くなっています。Strike 2 は Cloudrunner 3 の約3.1倍です(184 ÷ 60)。On の値段は、削った重さに付いています。
だから、練習用に軽さを求めすぎると割高になります。毎日の靴は1gあたり60〜80円の2足から選び、軽さにお金を払うのは本番の1足だけ。この分け方が、数字にいちばん合っています。
- 毎日のジョグ → Cloudsurfer 2(高低差9mmが合う人)
- 長くゆっくり → Cloudsurfer Max
- 横ぶれが気になる → Cloudrunner 3
- 速い日と長い日の練習 → Cloudmonster 3 Hyper
- フル・ハーフでタイムを狙う本番 → Cloudboom Strike 2
- 40kmまでのトレイル → Cloudvista 3
買わなくていい人
いまの靴で役割が足りている人は、買い足す理由がありません。On の12モデルは役割がはっきり分かれているので、同じ役割の靴を2足持っても、数字の上で増えるものがないからです。
底の厚さの数字で比べたい人にも、On は向きません。日本公式の商品ページには、底の厚さが載っていません。厚さを数字で確かめてから買いたいなら、厚さを公開しているメーカーの表と並べて読むほうが早く決まります(PUMA ディヴィエイト ニトロの比較)。
よくある質問
Cloudeclipse、Cloudflyer、Cloudsurfer Trail は買えますか
2026年10月13日の日本公式のメンズの一覧(ロードとトレイル)には、この3つは並んでいませんでした。Cloudboom Echo と Cloudboom Zone も同じです。
トレイルの一覧にあったのは、Cloudvista 3、Cloudultra 3、Cloudultra Pro、Cloudsoma でした。楽天の店には前の世代が残っていることがあるので、商品名の世代を見て選びます。
幅の広いモデルや、防水のモデルはありますか
公式の一覧に、Cloudmonster 3 Wide と Cloudsurfer Max Wide があります。値段はどちらも通常の幅と同じ表示でした。
防水は Cloudrunner 3 Waterproof が23,100円で、通常の Cloudrunner 3 より4,400円高くなります(23,100 − 18,700)。
初代の Cloudmonster は、まだ現行ですか
公式のロードの一覧に、Cloudmonster 3 と並んで、数字の付かない Cloudmonster が23,100円で載っていました。Cloudmonster 3 との差は1,100円です。
3層の CloudTec と作り直した板は 3 の特徴なので、差額が小さいぶん、私は 3 を選びます。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典
- On 日本公式 ロードランニングシューズ(メンズ)
- On 日本公式 トレイルランニングシューズ(メンズ)
- On 日本公式 CloudTec
- On 日本公式 CloudTec Phase
- On 日本公式 Speedboard
- On 日本公式 Helion
- On 日本公式 Cloudsurfer 2
- On 日本公式 Cloudsurfer Max
- On 日本公式 Cloudsurfer Next
- On 日本公式 Cloudmonster 3
- On 日本公式 Cloudmonster 3 Hyper
- On 日本公式 Cloudrunner 3
- On 日本公式 Cloudrunner 3 Max
- On 日本公式 Cloudflow 5
- On 日本公式 Cloudboom Strike 2
- On 日本公式 Cloudboom Volt
- On 日本公式 Cloudboom Max
- On 日本公式 Cloudvista 3
- On 日本公式 Cloudultra 3