アシックスの現行11足を公式の数字で並べると、底がいちばん厚いスーパーブラスト 3(約46.5mm)が、それより5mm薄いノヴァブラスト 6 より14g軽い、という逆転が見つかります。厚い靴ほど重い、とは限りません。役割ごとの1足は、クッションがノヴァブラスト 6、安定が GT-2000 15、スピードがマジックスピード 5、レースがメタスピード エッジ トーキョーです。
シューズオタクの本命
最初の1足は GT-2000 15、2足目を足すならマジックスピード 5。GT-2000 15 は、同じ安定の役割のゲルカヤノ 33 より46g軽く、底の厚さは2mmしか違わない。
そこへ196gでカーボンの板が入ったマジックスピード 5 を足すと、56gの差がそのまま「ゆっくりの日」と「速い日」の区別になる。
この記事の要点
- 公式の分け方は CUSHION・STABILITY・BOUNCE・SPEED の4つ。この記事はレース用を別に切り出した
- FF LEAP は、アシックスの説明で FF TURBO PLUS より約15%軽い素材。どの層に入れるかがモデルで違う
- メタスピードのスカイとエッジは、厚さ・ドロップ・値段が同じ。違うのは素材を重ねる順番
「厚い靴は重い」は、アシックスの表では当たらない
底が厚い靴は重い。そう思って公式の数字を並べると、当てが外れます。底の厚さが約46.5mmのスーパーブラスト 3 は239g。約40mmのゲルカヤノ 33 は298gです。6.5mm厚いほうが、59g軽い(298 − 239)。
重さを決めているのは、厚さより、底に使う素材の種類です。アシックスは素材に FF BLAST、FF TURBO、FF LEAP といった名前を付けていて、どれをどの層に入れるかでモデルを作り分けています。
そこでこの記事では、11足を数字の表にしたうえで、素材の名前を手がかりに選びます。
選んだ条件
並べたのは、2026年10月13日にアシックス日本公式の商品ページを開いて、値段と底の厚さを読めたロード用の11足です。売れている順ではありません。
公式は、ランニングシューズを CUSHION・STABILITY・BOUNCE・SPEED の4つに分けています。この記事では、BOUNCE を「クッション」に寄せ、SPEED を「練習で速く走る靴」と「大会の日の靴」に割って、次の4つの役割にしました。
| 役割 | 何を優先するか | 公式の区分 |
|---|---|---|
| クッション | やわらかさと厚さ | CUSHION・BOUNCE |
| 安定 | 着地のぶれを抑える作り | STABILITY |
| スピード | 軽さ。練習でも使える値段 | SPEED |
| レース | 公式が「トップアスリート向けレーシング」と書く | SPEED |
役割ごとの本命は、同じ役割の中で「軽い」「安い」を上に置いて決めました。数字で差がつかないレースの2足だけは、公式の説明文で決めています。
11足の早見表
表は横に動かせます →
| モデル | 重さ | 底の厚さ | ドロップ | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| クッション | ||||
| ゲルニンバス 28 | 281g | 約43.5mm | 8mm | 22,000円 |
| ノヴァブラスト 6 | 253g | 約41.5mm | 8mm | 17,600円 |
| スーパーブラスト 3 | 239g | 約46.5mm | 8mm | 26,400円 |
| メガブラスト | 未確認 | 約46mm | 8mm | 27,500円 |
| 安定 | ||||
| ゲルカヤノ 33 | 298g | 約40mm | 8mm | 22,000円 |
| GT-2000 15 | 252g | 約38mm | 8mm | 16,500円 |
| スピード | ||||
| マジックスピード 5 | 196g | 約37.5mm | 7mm | 19,800円 |
| エボライド スピード 3 | 218g | 約34.5mm | 5mm | 15,400円 |
| ターサー RP 3 | 未確認 | 約31.5mm | 10mm | 16,500円 |
| レース | ||||
| メタスピード スカイ トーキョー | 未確認 | 約39.5mm | 5mm | 29,700円 |
| メタスピード エッジ トーキョー | 未確認 | 約39.5mm | 5mm | 29,700円 |
ドロップは、かかとと前足部の厚さの差です。公式は、走り方に影響する数字だと説明しています。クッションと安定の6足は全部8mmで、差がつくのはスピードとレースの5足だけです。
素材の名前が分かると、表が読める
アシックスの底の素材は、大きく3つの系統です。公式の説明を、短くまとめます。
- FF BLAST の系統:ターサー RP 3 のページは、FF BLAST を「軽量性と反発性を提供」する素材と書いています。派生の FF BLAST PLUS は「軽量で優れたクッション性と安定性」(エボライド スピード 3)、FF BLAST MAX は「やわらかく快適」(GT-2000 15)という説明です。毎日はく靴の土台になっています。
- FF TURBO の系統:ノヴァブラスト 6 のページは、FF TURBO SQUARED を「高反発素材」と呼んでいます。メタスピードには FF TURBO PLUS が入ります。
- FF LEAP:メタスピードの特集ページによると、アシックスで今までいちばん軽く、反発性に優れた素材。FF TURBO PLUS と比べて約15.0%軽く、反発性が約13.7%、クッション性が約30.0%上がった、と数字つきで書かれています。
読者があまり知らないのは、ここから先です。FF LEAP は、モデルによって入る層が違います。
| モデル | 上の層 | 下の層 |
|---|---|---|
| メタスピード スカイ トーキョー | FF TURBO PLUS | FF LEAP |
| メタスピード エッジ トーキョー | FF LEAP | FF TURBO PLUS |
| マジックスピード 5 | FF LEAP | FF BLAST PLUS |
| スーパーブラスト 3 | FF LEAP | 公式ページに記載なし |
| ノヴァブラスト 6 | FF BLAST MAX と FF TURBO SQUARED の二層(上下の記載なし) | |
つまり、レース用の素材が、スピードの役割のマジックスピード 5 と、練習用のスーパーブラスト 3 にも降りてきています。スーパーブラスト 3 がいちばん厚いのに239gで収まるのは、上の層がこの軽い素材だからだと読めます。
だから私は、モデル名より先に「FF LEAP が入っているか」を見ます。入っていれば軽さ寄り、FF BLAST だけなら毎日はく靴、という見当が付きます。
クッションの本命:ノヴァブラスト 6
なぜこれか:クッションの4足のうち、いちばん安く、ニンバス 28 より28g軽いからです(281 − 253)。底の厚さの差は2mmしかありません(43.5 − 41.5)。
公式は、二層の底と、トランポリンから着想を得た前足部の作りで「ソフトな着地感と、弾むような反発性」を出すと説明しています。底のゴムは前足部が ASICSGRIP です。
特集ページのすすめ先は、日常のランニングからマラソンの練習まで。守備範囲がいちばん広い1足です。
気をつける所:公式の「クッション」の目盛りは High で、ニンバス 28 の Maximum より1段下です。やわらかさを最優先にする人は、ニンバス 28 を選ぶほうが筋が通ります。
アシックス ノヴァブラスト 6
楽天市場で見るニンバス 28 は、前作より約20g軽くなった(27.0cm片足)と公式が書いています。底には FF BLAST PLUS と PureGEL。
足を包むニットの上側とあわせて、4足の中でいちばん「快適さ」に振った作りです。
アシックス ゲルニンバス 28
楽天市場で見るノヴァブラスト 6 とスーパーブラスト 3 の違い
| ノヴァブラスト 6 | スーパーブラスト 3 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 重さ | 253g | 239g | 14g |
| 底の厚さ | 約41.5mm | 約46.5mm | 5mm |
| 公式の値段 | 17,600円 | 26,400円 | 8,800円 |
| 底の素材 | FF BLAST MAX+FF TURBO SQUARED | 上の層が FF LEAP | — |
スーパーブラスト 3 は、5mm厚くて14g軽い。その理由が、メタスピードの流れをくむ FF LEAP です。特集ページは、ロングランやマラソンのレースにすすめています。
- 毎日のジョギングが中心 → ノヴァブラスト 6。上乗せのぶんを使い切れません。
- 30km走や、板なしの靴でフルマラソンを走る → スーパーブラスト 3。
- 週に1〜2回、短く走るだけ → スーパーブラスト 3 にしないほうがいい。差が出る距離まで走らないからです。
アシックス スーパーブラスト 3
楽天市場で見るメガブラストは、底が FF TURBO SQUARED で約46mm。公式は「さまざまな速度や距離に対応」と書いています。ただ、商品ページに重量が出ていないので、スーパーブラスト 3 と数字で比べることができません。重さが読めるまで、私は選びません。
安定の本命:GT-2000 15
なぜこれか:同じ STABILITY のカヤノ 33 より46g軽く(298 − 252)、底の厚さは2mmしか変わらないからです。公式の「プロネーション」の欄は、2足とも同じ「Maximum Stability」の表示です。
46gは、片足1回ぶんの差です。フルマラソンを歩幅1mで走ると仮定すると、42,195歩。片足は約21,098回、地面を離れます。46g × 21,098回で、片足につき約970kgぶん、持ち上げる重さの合計が変わる計算です。
GT-2000 15 は、前作より底を2mm厚くして FF BLAST MAX を入れた、と公式が書いています。着地のぶれを抑えるのは 3D GUIDANCE SYSTEM。
特集ページのすすめ先は、日々のランニングから、フルマラソン完走に向けた練習までです。
気をつける所:公式の「クッション」の目盛りは High。カヤノ 33 は Maximum です。底のやわらかさでは、カヤノ 33 が1段上になります。
アシックス GT-2000 15
楽天市場で見るゲルカヤノ 33 と GT-2000 15 の違い
カヤノ 33 は、公式が「フラッグシップモデルのひとつ」と呼ぶ上位の靴です。違いは、ぶれを抑える仕組みと、底の素材の数にあります。
- 仕組み:カヤノ 33 は FLUIDSUPPORT。走っている間の動きの変化に合わせて働く、と公式は説明しています。特集ページは「フォームが乱れやすい疲労時」を名指ししています。GT-2000 15 は 3D GUIDANCE SYSTEM です。
- 素材:カヤノ 33 は FF BLAST PLUS と FF BLAST MAX の2種類。GT-2000 15 は FF BLAST MAX です。
- すすめ先:カヤノ 33 は「特に、フルマラソン完走を目標とする方」。GT-2000 15 は、そこへ向けた「トレーニングまで」。
フルマラソンの後半、疲れてからの安定を買いたい人はカヤノ 33。10kmやハーフまでの人、軽さを取りたい人は GT-2000 15。足の倒れ込みが気にならない人は、どちらも選ばず、クッションの4足から選ぶほうが軽く済みます。
アシックス ゲルカヤノ 33
楽天市場で見るスピードの本命:マジックスピード 5
なぜこれか:重さを読めたモデルの中でいちばん軽い196gで、カーボンの板と FF LEAP が両方入っているからです。公式の値段は、レース用のメタスピードのちょうど3分の2です(早見表の数字で 19,800 ÷ 29,700 = 0.67)。
公式によると、前のモデルより約50g軽くなりました(27.0cm片足)。かかと側の厚さも約43.5mmから約37.5mmへ、6mm薄くなっています。
厚さを削ってまで軽くした、という世代交代です。特集ページは、カーボンの板が入った靴を初めて試す人にすすめています。
気をつける所:中敷きは固定式で、取り替えられません。自分の中敷きを使っている人には合いません。
アシックス マジックスピード 5
楽天市場で見る板のない靴がよければ、エボライド スピード 3 です。公式は「カーボンプレートを搭載しておらず、軽量かつ自分の足で進める感覚のあるシューズ」と書いています。218gで、11足の中でいちばん安い値段です。
ターサー RP 3 は、底が約31.5mmで11足の中でいちばん薄く、ドロップは10mmでいちばん大きい靴です。公式の言葉は「自分の足で蹴る感覚を研ぎ澄ませた」。厚底に慣れた人が選ぶと、数字の上では別の乗り物になります。
レースの本命:メタスピード エッジ トーキョー
スカイとエッジは、底の厚さ、ドロップ、公式の値段が同じです。商品ページに重量は出ていません。数字では決められないので、公式の説明文で決めます。
| スカイ トーキョー | エッジ トーキョー | |
|---|---|---|
| 公式が言う走り方 | ストライド型(歩幅で速くなる人) | ピッチ型(回転で速くなる人) |
| FF LEAP の位置 | 下の層 | 上の層 |
| 公式の説明 | 着地の段階での安定性を高める | 中足部からかかとの沈み込みを抑える |
| 前作(PARIS)比の反発 | 約18.8%向上 | 約21.4%向上 |
なぜエッジか:特集ページは、エッジを「ピッチを調節しながらストライドを伸ばす」靴と書いています。回転と歩幅の両方に触れているのは、エッジの説明だけです。
自分がどちらの型か言い切れない人には、エッジのほうが外れにくい。前作からの反発の伸びも、エッジのほうが大きくなっています。
スピードを上げるとき、歩幅がぐんと伸びる自覚がある人はスカイ。そうでなければエッジ。これが私の分け方です。
気をつける所:公式は2足とも「トップアスリート向け」と明記しています。中敷きは固定式。重量が公式ページで読めないので、軽さを数字で確かめてから買いたい人は、196gと分かっているマジックスピード 5 のほうが納得して買えます。
アシックス メタスピード エッジ トーキョー
楽天市場で見るアシックス メタスピード スカイ トーキョー
楽天市場で見る1gあたりの値段で見ると、軽さの値段が分かる
重さを読めた7足について、公式の値段を重さで割りました。
| モデル | 重さ | 公式の値段 | 1gあたり |
|---|---|---|---|
| GT-2000 15 | 252g | 16,500円 | 約65円 |
| ノヴァブラスト 6 | 253g | 17,600円 | 約70円 |
| エボライド スピード 3 | 218g | 15,400円 | 約71円 |
| ゲルカヤノ 33 | 298g | 22,000円 | 約74円 |
| ゲルニンバス 28 | 281g | 22,000円 | 約78円 |
| マジックスピード 5 | 196g | 19,800円 | 約101円 |
| スーパーブラスト 3 | 239g | 26,400円 | 約110円 |
1gあたりが100円を超えるのは、FF LEAP が入った2足だけです。残りの5足は65〜78円に収まっています。軽い素材のぶんを、値段で払っていることが分かります。
本命に挙げた GT-2000 15 とノヴァブラスト 6 は、この表でも上の2つです。数字の上で割安な2足が、そのまま役割の本命になりました。
表に入れなかった現行モデル
| モデル | 公式の値段 | 公式で読めたこと |
|---|---|---|
| メタスピード レイ | 33,000円 | 約129g(27.0cm片足)。シリーズでいちばん軽い |
| ノヴァブラスト 6 GTX | 22,000円 | ノヴァブラスト 6 の GTX 版 |
| GT-2000 15 GTX | 19,800円 | GT-2000 15 の GTX 版 |
このほか、公式の特集ページには、ゲルキュムラス 28、グライドライド マックス 2、ソニックブラスト 2、ヨギリ スピード、GT-1000 15、ハイパーレーサーが載っています。
買わなくていい人
- いまの靴に不満がなく、走る距離も変わらない人。世代が1つ進んでも、ドロップは同じ8mmのままというモデルが6足あります。
- メタスピードを練習用に買おうとしている人。公式の言葉は「レーシングシューズ」です。練習は、FF LEAP が入ったマジックスピード 5 かスーパーブラスト 3 で足ります。
- ハイロックスのような、走る以外の種目がある競技の靴を探している人。底の作りの見方が変わるので、ハイロックスのシューズの記事の条件で選ぶほうが合います。
よくある質問
幅の広いモデルはありますか
公式の一覧には、ゲルカヤノ 33 の WIDE と EXTRA WIDE、ノヴァブラスト 6 の WIDE、GT-2000 15 の WIDE、マジックスピード 5 の WIDE、エボライド スピード 3 の WIDE、ターサー RP 3 の WIDE が並んでいます。メタスピードの2足は、STANDARD の表示でした。
メタスピード レイは、スカイやエッジと何が違いますか
特集ページは、レイを約129g(27.0cm片足)のシリーズ最軽量と書き、前足部で着地する走り方に適したレーシングシューズと説明しています。
上側の素材も、スカイとエッジの MOTION WRAP 3.0 に対して、レイは MATRYX です。値段は上の表のとおり、3足でいちばん高くなります。
ほかのメーカーと比べたい
PUMA は、靴ごとに「何kmもつか」の目安を公式に書いています。ディヴィエイト ニトロの記事に並べました。On の一覧はOn のシューズの記事にあります。アシックスの商品ページには、距離の目安は書かれていません。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典
- アシックス日本公式 GEL-KAYANO 33
- アシックス日本公式 GT-2000 15
- アシックス日本公式 GEL-NIMBUS 28
- アシックス日本公式 NOVABLAST 6
- アシックス日本公式 SUPERBLAST 3
- アシックス日本公式 MEGABLAST
- アシックス日本公式 MAGIC SPEED 5
- アシックス日本公式 EvoRide Speed 3
- アシックス日本公式 TARTHER RP 3
- アシックス日本公式 METASPEED SKY TOKYO
- アシックス日本公式 METASPEED EDGE TOKYO
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