2026年のアディダスの新作は、公式の発表で発売日を確かめられたものが4足あります。97gで500ドルのアディオス プロ Evo 3、177gのアディオス プロ 5、トレイルのアグラヴィック スピード ウルトラ Evo、そして練習用のハイパーブースト エッジ。このうち日本公式に値段が出ているのは、ハイパーブースト エッジ(255g・24,200円)だけです。
シューズオタクの本命
2026年のアディダスは、カーボンの「棒」を「ふち」に置きかえた年だ。レース用の3足は、足の指に沿う棒(ENERGYRODS)をやめて、底の外周を囲む ENERGYRIM に変えた。
練習用は逆に、板も棒も入れていない。だから私は、新作を重さより先に「カーボンがどこにあるか」で読む。
この記事の要点
- アディオス プロ 5 は前の世代より23g軽く、前足部が2mm厚い。日本公式は「国内での発売未定」の表示
- アディオス プロ Evo 3 は1gあたり約5.2ドル。アディオス プロ 5 の約3.3倍
- ハイパーブースト エッジのかかとは45mm。世界陸連のロードの上限より5mm厚い
2026年の新作4足の早見表
「アディダスの新作」と聞いて日本公式を開くと、いちばん目立つ場所にあるアディオス プロ 5 には「日本国内での発売未定」と書かれています。発表はされた。
でも日本では値段が付いていない。2026年の新作は、まずここを分けて読む必要があります。
この記事に入れる条件は1つです。アディダスの公式の発表で、2026年1月〜10月の発売日を確かめられたこと。当てはまったのは4足でした。
表は横に動かせます →
| モデル | 発売日(公式の発表) | 値段 | 重さ(片足) | 底の厚さ・ドロップ |
|---|---|---|---|---|
| ハイパーブースト エッジ | 3月17日 | 24,200円 | 255g(27cm) | 45/39mm・6mm |
| アディゼロ アディオス プロ Evo 3 | 4月25日(数量限定) | 500ドル | 97g(UK 8.5) | 39/36mm・3mm |
| アグラヴィック スピード ウルトラ Evo | 8月25日(シャモニーの3店) | 500ドル | 250g(UK 8.5) | 未確認 |
| アディゼロ アディオス プロ 5 | 9月22日(日本は未定) | 275ドル | 約177g(UK 8.5) | 39/35mm・4mm |
ドロップは、かかとと前足部の底の厚さの差のことです。4足のうち、日本公式でサイズを選んでカートに入れられるのは、ハイパーブースト エッジだけでした。
ハイパーブースト エッジ|板も棒もない45mm
4足の中で、作りがいちばん変わっているのがこれです。アディダスは「長距離に対応した、アディダス初のプレートレスのスーパートレーニングシューズ」と説明しています。
前の世代から何が変わったか:名前に数字が付かない新しい系統で、発表も前のモデルとは比べていません。そこで、同じ BOOST の名前を持つウルトラブースト 5 と、日本公式の数字を並べます。
| ハイパーブースト エッジ | ウルトラブースト 5 | EVO SL | |
|---|---|---|---|
| 重さ | 255g(27cm) | 244g(24cm) | 224g(27cm) |
| かかと/前足部 | 45/39mm | 31/21mm | 38.5/32mm |
| ドロップ | 6mm | 10mm | 6.5mm |
| フォームの名前 | HYPERBOOST PRO | Light BOOST | LIGHTSTRIKE PRO |
| 公式の値段 | 24,200円 | 17,710円(セール表示) | 19,800円 |
かかとは、ウルトラブースト 5 より14mm厚い(45 − 31)。ドロップは10mmから6mmへ、4mm小さくなっています。名前は近くても、別の靴です。
兄弟モデルとの違い:アディゼロの EVO SL と比べると、31g重く(255 − 224)、かかとが6.5mm厚い(45 − 38.5)。
公式の値段の差は4,400円です。1gあたりにすると、エッジが約95円(24,200 ÷ 255)、EVO SL が約88円(19,800 ÷ 224)で、ほぼ同じ水準に収まります。
防水の兄弟、ハイパーブースト GTX もあります。こちらは283g・かかと38mm・前足部32mm。エッジより28g重く、かかとは7mm薄い。同じ「ハイパーブースト」でも、底の厚さがまるで違います。
ほめる所:45mmという厚さを、255gで作ったことです。かかとが6.5mm薄い EVO SL との差が31gしかない。アディダスは、新しい配合の HYPERBOOST PRO を、トップのレース用で磨いたミッドソールの技術がもとだと説明しています。
発表によると、ケルン大学と行った60人の調査で、73%が反発を、77%がやわらかさを、いま履いている靴より好んだそうです。
もう1つは、底のゴムです。LIGHTTRAXION という軽いゴムが、かかとからつま先まで全面に張られています。発表は、レース用の靴の底から着想を得た、と書いています。
気をつける所:かかとの45mmは、世界陸連のロードの上限40mmより5mm厚い数字です。世界陸連の規則で行う大会で記録や順位をねらう人は、大会の要項を先に読んでください。
規則が測る位置の話は、厚底カーボン10足の記事にまとめています。
向く人:毎日の練習と長い距離を、板のない1足で通したい人。向かない人:軽さを優先する人(EVO SL のほうが31g軽い)と、レースの日の靴を探している人です。
アディダス ハイパーブースト エッジ
楽天市場で見る雨の日のための1足なら、防水のほうです。
アディダス ハイパーブースト GTX
楽天市場で見るアディゼロ アディオス プロ Evo 3|97g、ただし数量限定
アディダスが「初めて100gを切ったスーパーシューズ」として、2026年4月23日に発表しました。発売は4月25日で、数量限定。発表は、秋のマラソンの季節にもう一度広く出す、と予告しています。
前の世代から何が変わったか:発表では、Evo 2 より30%軽く、前足部の反発が11%増え、ランニングエコノミー(同じ速さで走るのに使うエネルギーの少なさ)が1.6%良くなった、とされています。
30%軽くなって97gなら、Evo 2 は約139gだった計算です(97 ÷ 0.7)。
フォームは LIGHTSTRIKE PRO EVO。発表は、これまでのものより50%近く軽い、と書いています。その下を支えるのが ENERGYRIM です。
カーボンを組みこんだ骨組みが底の外周を回り、かかとの裏からは鏡のように見える作りになっています。
兄弟モデルとの違い:5か月後に出たアディオス プロ 5 より、80g軽い(177 − 97)。底は、かかとが同じ39mmで、前足部が1mm厚い36mm。ドロップは3mmで、4足の中でいちばん小さい数字です。
ほめる所:97gで、かかと39mmを保ったことに尽きます。軽くするために底を削ったのではなく、フォームそのものを軽くした。発表の2日後のロンドンでは、この靴を履いた選手がマラソンで2時間を切った、とアディダスは伝えています。
気をつける所:値段は500ドル。1gあたり約5.2ドルです(500 ÷ 97)。アディオス プロ 5 は約1.55ドル(275 ÷ 177)なので、約3.3倍になります。
何kmもつかの目安は、発表に書かれていません。日本公式には、調べた日に商品ページがありませんでした。
向く人:1つのレースに500ドルを出せる人。向かない人:それ以外の全員です。日本公式で値段が出ているレース用は、アディオス プロ 4 です。
アディダス アディゼロ アディオス プロ 4
楽天市場で見るアディゼロ アディオス プロ 5|23g軽く、前足部は2mm厚く
2026年9月22日に発表され、同じ日に世界で発売、と書かれています。ところが日本公式の特集ページは「日本国内での発売未定」。日本での値段も、調べた日には出ていませんでした。
前の世代から何が変わったか:日本公式のアディオス プロ 4 の数字と並べます。
| アディオス プロ 5 | アディオス プロ 4 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 重さ | 約177g(UK 8.5) | 200g(27cm) | 23g |
| かかと | 39mm | 39mm | 0mm |
| 前足部 | 35mm | 33mm | +2mm |
| ドロップ | 4mm | 6mm | −2mm |
| カーボン | ENERGYRIM | カーボンを使った棒 | — |
| 値段 | 275ドル(日本は未確認) | 28,600円 | — |
発表は「約23g、12%軽い」と書いています。177に23を足すと200g。日本公式のプロ 4 の数字と、ぴったり合います。割合を自分で出すと11.5%です(23 ÷ 200)。
かかとは39mmのまま、前足部だけが2mm厚くなりました。そのぶん、ドロップが6mmから4mmへ小さくなっています。数字の上では、靴の傾きがゆるくなった、ということです。
カーボンの置き方も変わりました。プロ 4 までの ENERGYRODS をやめて、Evo 3 と同じ ENERGYRIM に。プロの系統では初めてだ、と発表は書いています。反発は9%増えた、という説明です。
兄弟モデルとの違い:Evo 3 より80g重く、値段は55%です(275 ÷ 500)。発表は Evo 3 で分かったことを生かした靴だと位置づけ、底のゴム(LIGHTTRAXION とコンチネンタルラバー)の説明にグリップと耐久性を挙げています。
ほめる所:23gです。レース用の靴が1世代で1割以上軽くなることは、そうありません。しかも、かかとの厚さを1mmも削っていない。アッパーも LIGHTLOCK 2.0 に替わり、通気の区画と、内側の支えの帯が足されています。
気をつける所:ドロップが2mm小さくなったので、プロ 4 から履き替える人は、同じ名前の別の靴だと思って選ぶほうがいい。そして日本での発売日と値段が、まだ決まっていません。
向く人:日本での発売を待てる人。向かない人:この秋から冬のレースに間に合わせたい人。そちらは、数字が全部そろっているプロ 4 にしてください。
アグラヴィック スピード ウルトラ Evo|ロードの技術を山へ
トレイルの新作です。2026年8月の UTMB モンブランに合わせて、シャモニーの3つの店で、ごく少ない数だけ発売されました。発表は、年内にいくつかの大会で追加の販売がある、と書いています。
前の世代から何が変わったか:発表では、アグラヴィック スピード ウルトラ 2 より約5%軽く、反発は10%以上、ランニングエコノミーは1%良くなった、とされています。
日本公式のウルトラ 2 は27cmで265g。5%軽いなら約252gで(265 × 0.95)、発表の250gとほぼ合います。
カーボンは、ここでも ENERGYRIM です。ウルトラ 2 は日本公式に「ENERGY RODS」と書かれているので、トレイルでも棒から「ふち」に替わったことになります。
ウルトラ Evo は、それを2つ使う作りだと説明されています。
兄弟モデルとの違い:日本公式で値段が出ているのは、ウルトラ 2 です。265g・かかと43mm・前足部35mm・ドロップ8mm。ウルトラ Evo は、底の厚さとドロップが発表に書かれていません。
ほめる所:ロードの記録用の技術を、そのままトレイルに持ちこんだことです。足首まわりには、砂や小石を入れにくくするえりが、アッパーと一体で付いています。
気をつける所:500ドルで、買える場所が大会の会場まわりに限られます。底の厚さも突起の高さも、発表からは読めません。数字で比べて決めたい人には、材料が足りない靴です。
向く人:100km級のレースで順位を争う人。向かない人:トレイルを始めたばかりの人。値段も数字も出そろっているウルトラ 2 から見るほうが早いです。
アディダス テレックス アグラヴィック スピード ウルトラ 2
楽天市場で見るアディゼロの役割分けを、公式の言葉で整理する
新作の位置をつかむには、いまのアディゼロの並びを知っておくと楽です。日本公式の商品ページが、それぞれの靴をどう説明しているかを並べました。
表は横に動かせます →
| モデル | 日本公式の説明(要約) | 重さ(27cm) | かかと/前足部 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| アディオス プロ 4 | 記録更新をねらう人の、長距離レース用 | 200g | 39/33mm | 28,600円 |
| タクミ セン 11 | 駅伝・短い距離のロードレース用 | 188g | 33/26mm | 24,200円 |
| アディオス 9 | 薄底のアディゼロ ジャパン。練習からレースまで | 176g | 27/20mm | 17,600円 |
| ボストン 13 | レースでも練習でも使うオールラウンド | 255g | 36/30mm | 18,700円 |
| EVO SL | Evo 1 から生まれた練習用。ジョグからレースまで | 224g | 38.5/32mm | 19,800円 |
並べると、分け方は2本の軸だと分かります。1本目は距離。長い距離のレースがアディオス プロ、短い距離がタクミ センです。かかとの厚さは6mm違います(39 − 33)。
2本目は、棒のあるなしです。ボストン 13 にはグラスファイバーの棒が入り、EVO SL には入っていません。それでいて、EVO SL のほうが31g軽く、かかとは2.5mm厚い。くわしい比べ方は、2026年のおすすめ10足に書きました。
アディオス 9 は、厚底の流れの外にいる靴です。かかと27mmは、アディオス プロ 4 より12mm薄い。日本公式が「アディゼロ ジャパン」と呼ぶのは、この薄底の系統です。
アディダス アディゼロ EVO SL
楽天市場で見るアディダス アディゼロ ボストン 13
楽天市場で見るアディダス アディゼロ タクミ セン 11
楽天市場で見る2026年のアディダスで、いちばん買う理由がある1足
条件を先に書きます。日本公式に値段が出ていること。重さ・厚さ・ドロップが全部そろっていること。前からある靴では代わりがきかないこと。この3つです。
Evo 3 とウルトラ Evo は、1つ目で外れます。アディオス プロ 5 も、日本ではまだ値段がありません。残るのは、ハイパーブースト エッジです。
代わりがきかない、という点でもエッジは通ります。かかと45mmで板なし、という靴は、アディダスの中にほかにありません。EVO SL より6.5mm厚く、ウルトラブースト 5 より14mm厚い。
値段を1gあたりで見ても、EVO SL と7円しか違いません(95 − 88)。
2026年のアディダスで買う理由がいちばんあるのは、ハイパーブースト エッジです。記録用の3足は、発表の数字を読んで楽しむ年。お金を出すのは、日本でふつうに買える練習用の1足で足ります。
買わなくていい人も、はっきりしています。EVO SL をすでに持っていて、厚さに不満がない人。31g重くなるぶんの理由がありません。
よくある質問
アディオス プロ 5 は日本で買えますか
2026年10月13日の日本公式の特集ページは「日本国内での発売未定」と表示しています。発表にある値段は275ドル・275ユーロで、円の値段は出ていません。
ハイパーブースト エッジは大会で使えますか
公式の数字はかかと45mmで、世界陸連のロードの上限40mmを5mm超えています。この規則がそのまま当てはまるのは、世界陸連のルールで行う大会です。市民マラソンでの扱いは、出る大会の要項に書かれています。
EVO SL の派生は、何が違いますか
日本公式の数字では、ウーブンは EVO SL と同じ224g・38.5/32mm。EXO は230g、ジップは249gで、底の厚さは同じです。
ATR だけ底が違い、266.5g・40/34mmで、1.5mmの突起と、水をはじくアッパーが付きます。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典
- adidas 発表(2026年9月22日・Adizero Adios Pro 5)
- adidas 発表(2026年4月23日・Adizero Adios Pro Evo 3)
- adidas 発表(2026年8月26日・Agravic Speed Ultra Evo)
- adidas スウェーデン法人の発表(2026年3月5日付・Hyperboost Edge)
- adidas 発表の一覧(Running)
- アディダス 日本公式 ADIZERO ADIOS PRO 5 の特集ページ
- アディダス 日本公式 ハイパーブースト エッジ
- アディダス 日本公式 ハイパーブースト GTX
- アディダス 日本公式 アディゼロ アディオス プロ 4
- アディダス 日本公式 アディゼロ ボストン 13
- アディダス 日本公式 アディゼロ EVO SL
- アディダス 日本公式 アディゼロ EVO SL ATR
- アディダス 日本公式 アディゼロ タクミ セン 11
- アディダス 日本公式 アディゼロ アディオス 9
- アディダス 日本公式 テレックス アグラヴィック スピード ウルトラ 2
- アディダス 日本公式 ウルトラブースト 5