毎日はく1足はペガサス 42(27cmで約287g・17,600円)、レースの1足はヴェイパーフライ 4(28cmで約190g・29,700円)。ナイキの公式は、ペガサスを反発、ボメロを最大級のクッション、ストラクチャーをサポートと分けています。迷ったら、この3つのどれが欲しいかを先に決めます。
シューズオタクの本命
シリーズの名前より、底に何が何層入っているかを読む。ナイキの底の材料は ZoomX・ReactX・Air Zoom の3つで、どの靴もこの組み合わせでできている。
同じ系統の中で ReactX を ZoomX に替えたモデルは、ペガサスで38g、ボメロで33g軽くなり、そのぶん高くなる。値段の差は、ほぼこの材料の差だと私は読んでいる。
この記事の要点
- ペガサスの3兄弟は、プラス 2 が約249gでいちばん軽く、プレミアムが約313gでいちばん重い
- ヴェイパーフライ 4 は10kmからマラソン、アルファフライ 4 はハーフとマラソン、ストリークフライ 2 は10kmまで
- 底の厚さを公式ページが書いているのは、ボメロ 18(46/36mm)とボメロ プレミアム(55mm)だけ
「ペガサス」という名前の靴が3つある
ナイキの日本公式サイトには、ペガサスと名の付くロード用の靴が3つ並んでいます。ペガサス 42、ペガサス プラス 2、ペガサス プレミアム。値段は17,600円、22,000円、29,700円です。
高い靴ほど軽い、と思いがちです。ところが27cmの重さは、約287g、約249g、約313g。いちばん高いプレミアムが、いちばん重くなっています。
名前と値段だけでは、ナイキの靴は選べません。この記事では、公式ページの数字と説明を並べて、どの靴が何のための物かを整理します。
ナイキは、シリーズを3つに分けている
ナイキは2024年11月20日の発表で、ロード用の靴を3つの系統に整理しました。日本公式の商品ページにも、同じ3つの区分が出ています。
| 系統 | ナイキの発表の言葉 | 日本公式の区分 | 基本のモデル |
|---|---|---|---|
| ペガサス | responsive cushioning(反発するクッション) | たしかな反発力 | ペガサス 42 |
| ボメロ | maximum cushioning(最大のクッション) | 最大級 | ボメロ 18 |
| ストラクチャー | supportive cushioning(支えるクッション) | 頼れるサポート性 | ストラクチャー 26 |
それぞれの系統に、基本のモデルと、その上の「プラス」「プレミアム」があります。発表は基本のモデルを「アイコン」と呼び、プラスとプレミアムを、系統の中で差を付ける上のモデルと説明しています。
つまり、横に3つ(反発・クッション・サポート)、縦に3段(基本・プラス・プレミアム)。ペガサスが3つあるのは、この縦の3段です。レース用のズーム フライ、ヴェイパーフライ、アルファフライ、ストリークフライは、この表の外にある別の棚です。
底の材料は3つ。役目がちがう
ここが、この記事でいちばん伝えたい所です。ナイキの底の材料は、ほぼ3つしかありません。
| 材料 | 公式の説明 | 入っている靴の例 |
|---|---|---|
| ZoomX(フォーム) | ナイキで最も軽く、最も反発性に優れたクッション | ヴェイパーフライ 4、ボメロ プラス、ペガサス プラス 2 |
| ReactX(フォーム) | 従来の React より反発力が13%向上。ストラクチャー プラスのページでは「丈夫な」フォーム | ペガサス 42、ストラクチャー 26 |
| Air Zoom(空気の入った部品) | エネルギーリターン(踏んだ力の戻り)を高める | ペガサスの3兄弟、ボメロ プレミアム、アルファフライ 4 |
ZoomX は、公式がいちばん軽くてよく戻ると書く材料で、レース用の4足は全部これです。ReactX は、公式が「丈夫」と書くほうの材料で、基本のモデルの土台です。
Air Zoom はフォームではなく、空気を閉じ込めた部品で、フォームの中に埋めて使います。
おもしろいのは重ね方です。ボメロ 18 は、ReactX の上に ZoomX を重ねた2層。公式は「2種類の異なる密度のミッドソール」と書いています。足に近い側にやわらかい材料、地面に近い側に丈夫な材料を置く作りです。
ペガサス プレミアムは、ZoomX、Air Zoom、ReactX の3層です。3つを全部入れたから、313gといちばん重くなった。冒頭の「高いのに重い」の答えは、これです。
選んだ条件
下の10足は、2026年10月13日にナイキ日本公式で商品ページを開けた現行のロード用から、次の条件で選びました。
- 公式ページで、重さと高低差(かかとと前の高さの差)を読めたこと
- 3つの系統とレース用の棚の、それぞれから入れること
- 色ちがい・防水・幅広の版は、基本の1つにまとめること
本命は、役割ごとに「同じ役目の中でいちばん軽いか、いちばん安いか」で決めています。
毎日はく6足の一覧
表は横に動かせます →
| モデル | 重さ | 底の厚さ | 高低差 | 底の材料 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|---|
| ペガサス 42 | 約287g(27cm) | 未確認 | 10mm | ReactX+Air Zoom | 17,600円 |
| ペガサス プラス 2 | 約249g(27cm) | 未確認 | 10mm | ZoomX+Air Zoom | 22,000円 |
| ペガサス プレミアム | 約313g(27cm) | 未確認 | 10mm | ZoomX+Air Zoom+ReactX | 29,700円 |
| ボメロ 18 | 約325g(28cm) | 46/36mm | 10mm | ZoomX+ReactX | 18,700円 |
| ボメロ プラス | 約292g(28cm) | 未確認 | 10mm | ZoomX | 22,000円 |
| ストラクチャー 26 | 約297g(27cm) | 未確認 | 10mm | ReactX | 18,700円 |
6足とも、高低差は10mmでそろっています。違うのは、重さと、底の材料と、値段です。
28cmの重さで比べ直すと、ペガサス 42 は約300g、ストラクチャー 26 は約321g、ボメロ 18 は約325g。反発の系統がいちばん軽く、クッションの系統がいちばん重い。差は25gです(325 − 300)。
レース用4足の一覧
表は横に動かせます →
| モデル | 重さ | 高低差 | 底の材料 | 公式が書く距離 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|---|
| ズーム フライ 6 | 約240g(27cm) | 8mm | ZoomX+カーボンの板 | 記載なし | 18,700円 |
| ヴェイパーフライ 4 | 約190g(28cm) | 6mm | ZoomX+カーボンの板 | 10km・ハーフ・マラソン | 29,700円 |
| アルファフライ 4 | 約188g(26.5cm) | 8mm | ZoomX+Air Zoom+カーボンの板 | ハーフ・マラソン | 39,600円 |
| ストリークフライ 2 | 約127g(27cm) | 4mm | ZoomX+カーボンの板 | 1マイル・5km・10km | 26,730円 |
4足とも、ZoomX の中に、カーボンの板(ナイキの呼び名は Flyplate)が端から端まで入っています。違いは、公式が書く距離にはっきり出ています。
短いほうからストリークフライ、ヴェイパーフライ、アルファフライの順です。
役割ごとの本命
毎日はく1足:ペガサス 42
なぜこれか:10足の中でいちばん安く、反発の系統の基本だからです。底は ReactX で、その中に Air Zoom が端から端まで1枚入っています。
前作のペガサス 41 は前とかかとに分かれた2つでしたが、42 で1枚につながった、と公式は説明しています。
つま先まわりも、41 より少し広くなりました。幅広の版と防水の版(GORE-TEX)が同じ名前で出ているのも、基本のモデルの強みです。
気をつける所:ZoomX は入っていません。軽さを求めるなら、次のプラス 2 です。
ナイキ ペガサス 42
楽天市場で見るクッションで選ぶ1足:ボメロ プラス
なぜこれか:底が全部 ZoomX で、基本のボメロ 18 より軽いからです。28cmの重さは約292gで、ボメロ 18 の約325gより33g軽くなります(325 − 292)。
クッションの系統なのに、ペガサス 42 の28cm(約300g)よりも軽い。
ボメロ 18 は、ZoomX の下に ReactX を敷いた2層です。プラスは、その丈夫な層をやめて ZoomX だけにした、と読めます。値段の差は3,300円(22,000 − 18,700)で、33gの差なので、1g軽くするのに100円という計算です。
気をつける所:底の厚さの数字が公式ページにありません。厚さを数字で確かめて買いたい人は、46mmと36mmが書かれているボメロ 18 のほうが安心です。
ナイキ ボメロ プラス
楽天市場で見るナイキ ボメロ 18
楽天市場で見る安定で選ぶ1足:ストラクチャー 26
なぜこれか:公式が「サポート」と書く系統の基本だからです。足の中ほどにサポートの仕組みがあり、土踏まずとかかとを包む、と公式は説明しています。底は ReactX だけの、いちばん単純な作りです。
上のストラクチャー プラスは、ReactX の上に ZoomX を重ねた2層で、定価は22,000円。27cmの重さは約289gで、26(約297g)より8g軽いだけです。8gに3,300円を払うより、私は26を選びます。
気をつける所:10足の中では重いほうです。ペガサス 42 より、27cmで10g重くなります(297 − 287)。
ナイキ ストラクチャー 26
楽天市場で見る板入りを安く持つ1足:ズーム フライ 6
なぜこれか:ZoomX とカーボンの板という、ヴェイパーフライと同じ組み合わせが、18,700円で手に入るからです。ヴェイパーフライ 4 との差は11,000円(29,700 − 18,700)。
気をつける所:公式ページは、この靴に向いた距離を書いていません。重さも27cmで約240gあり、レース用の3足とは別の物です。
ナイキ ズーム フライ 6
楽天市場で見るレースの1足:ヴェイパーフライ 4
なぜこれか:公式が書く距離が、10km、ハーフ、マラソンと、いちばん広いからです。1足で3つの距離をまかなえて、アルファフライ 4 より9,900円安い(39,600 − 29,700)。
前作の 3 からは、甲の布、底のフォーム、底のゴムの3か所を軽くした、と公式は説明しています。高低差も小さくなり、6mmです。
気をつける所:毎日はく靴ではありません。ペガサス 42 と28cmどうしで比べると、110g軽い(300 − 190)。そのぶん、ゴムもフォームも削ってあります。
ナイキ ヴェイパーフライ 4
楽天市場で見る兄弟モデルの書き分け
ペガサスの3兄弟
| ペガサス 42 | プラス 2 | プレミアム | |
|---|---|---|---|
| 重さ(27cm) | 約287g | 約249g | 約313g |
| 42 との重さの差 | — | −38g | +26g |
| 底の材料 | ReactX+Air Zoom | ZoomX+Air Zoom | ZoomX+Air Zoom+ReactX |
| 公式の値段 | 17,600円 | 22,000円 | 29,700円 |
| 1gあたり | 約61円 | 約88円 | 約95円 |
プラス 2 は、底のフォームが 42 の ReactX ではなく、ZoomX です。重さは38g、割合で約13%軽くなりました(38 ÷ 287)。4,400円の差で、材料がまるごと上のものに替わります。
プレミアムは、軽くする靴ではありません。3つの材料を全部重ねて、公式の言う「ペガサス史上最も反発力に優れ」た底を作った靴です。42 より26g重く、12,100円高い。
- 初めての1足、雨の日用や幅広が要る人 → ペガサス 42
- 同じ10mmの高低差のまま、軽くしたい人 → プラス 2
- 重さは気にせず、底の仕掛けを全部味わいたい人 → プレミアム
- 軽さが目的の人は、プレミアムにしないほうがいい。3兄弟でいちばん重い
ナイキ ペガサス プラス
楽天市場で見るナイキ ペガサス プレミアム
楽天市場で見るヴェイパーフライとアルファフライ
2足の違いは、Air Zoom があるかどうかです。ヴェイパーフライ 4 は ZoomX と板だけ。アルファフライ 4 は、そこに Air Zoom の部品が加わります。
公式が書く距離も違います。ヴェイパーフライは10kmから、アルファフライはハーフから。部品の多いアルファフライは、長い距離だけに絞られています。
重さは、公式の書くサイズがそろっていません。ヴェイパーフライは28cmで約190g、アルファフライは26.5cmで約188g。サイズが1.5cmちがうので、同じ大きさならアルファフライのほうが重い、と読むのが自然です。
- 10kmもハーフもマラソンも、1足で出る人 → ヴェイパーフライ 4
- 出るのはハーフとマラソンだけで、Air Zoom の入った底を選びたい人 → アルファフライ 4(調べた日は「近日発売」)
- 5kmや10kmが中心の人 → どちらでもなく、約127gのストリークフライ 2
110gの差を、マラソンの歩数で数える
ペガサス 42 とヴェイパーフライ 4 の差は、28cmの片足で110gでした。これがどれくらいの量か、算数で出してみます。
歩幅を1mと置くと、42.195kmは42,195歩。片足ぶんは、その半分の約21,100回です。110g × 21,100回 = 約2,321,000g。片足が持ち上げる重さの合計で、約2.3トンの差になります。
歩幅は人によって違うので、これは目安の計算です。ただ、レース用の靴が、ゴムを薄くしてまで数十gを削る理由は、この数字から見えてきます。
買わなくていい人
- ペガサス 41 をはいていて、底がまだ残っている人。42 の変更は、Air Zoom が1枚になったことと、つま先の広さです。系統も高低差も同じです。
- レースに出る予定が決まっていない人の、ヴェイパーフライとアルファフライ。公式が「ロードレース」用と書く靴で、毎日はく前提の作りではありません。
- 底の厚さを数字で比べてから決めたい人。ナイキの公式ページは、ほとんどのモデルで厚さを書いていません。厚さを公式に書くメーカーなら、PUMA のディヴィエイト ニトロの記事に全モデルの数字があります。
よくある質問
ボメロ プレミアムは、ほかのボメロと何が違いますか
底の厚さが55mmあります。ZoomX の中に、Air Zoom が前とかかとに1つずつ入っています。重さは28cmで約351g、値段は29,700円。
10足の表に入れなかったのは、ボメロ 18 より26g重く(351 − 325)、毎日の1足としては重さと値段が離れすぎるからです。
アルファフライ 3 は、まだ買えますか
調べた日、ナイキ日本公式の検索に出たアルファフライは、4 のメンズとウィメンズだけでした。3 の商品ページは開けませんでした。3 は型落ちになる世代です。
ほかのメーカーと比べたい
高低差は、ナイキの毎日用が10mmでそろっているのに対して、On は5〜9mmと幅があります。On のシューズの記事に、18モデルの重さと高低差を並べています。
この記事に出てきた道具
広告・画像:楽天市場出典
- ナイキ日本公式 ペガサス 42(メンズ)
- ナイキ日本公式 ペガサス プラス 2(メンズ)
- ナイキ日本公式 ペガサス プレミアム(メンズ)
- ナイキ日本公式 ボメロ 18(メンズ)
- ナイキ日本公式 ボメロ プラス(メンズ)
- ナイキ日本公式 ボメロ プレミアム(メンズ)
- ナイキ日本公式 ストラクチャー 26(メンズ)
- ナイキ日本公式 ストラクチャー プラス(メンズ)
- ナイキ日本公式 ズーム フライ 6(メンズ)
- ナイキ日本公式 ヴェイパーフライ 4(メンズ)
- ナイキ日本公式 アルファフライ 4(ウィメンズのページ。メンズ26.5cmの重さの記載あり)
- ナイキ日本公式 ストリークフライ 2
- ナイキ日本公式 ランニングシューズファインダー
- ナイキ日本公式 ロード用ランニングシューズの一覧
- Nike 発表(2024年11月20日・ロードランニングの新しい分け方)