Cloudboom Volt は、On が2026年2月19日に出したレース用です。日本公式の数字は210g・ドロップ5mm・26,400円で、区分は「5〜10km」と「ハーフマラソン」。フルの本番用ではなく、10kmとハーフが本番で、同じ靴を速い練習にも回したい人の1足です。
シューズオタクの本命
Volt は「安いほうのレース靴」ではなく、2024年のマラソン用を練習にも回せる形に組み直した靴として買う。かかと39.5mmと210gは初代 Cloudboom Strike と同じで、テックシートは何kmも走ったあとまで力が残る構造だと書いている。
本番の日しか出番のない靴にお金を出したくないなら、On のレース用3足の中で私はこれを選ぶ。
この記事の要点
- つま先側の厚さは34mm。初代 Strike より1.5mm薄く、かかとは同じ39.5mm
- Strike 2 との差は19gと8,800円。1g軽くするのに約463円
- ウィメンズは182gで、メンズより28g軽い。値段は同じ
公式の数字
レース用の靴は、本番の日にしか出さない。そう決めている人ほど、Volt のテックシートの1行に引っかかります。On は、この靴の構造を「何kmも走ったあとまで力が残る」と説明しています。レース用なのに、長く使う前提で書かれた靴です。
まず、数字を1枚にまとめます。日本公式の商品ページと、On が発売に合わせて出したテックシート(SS26)の両方を開きました。
| 項目 | 数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年2月19日 | テックシート |
| 公式の値段 | 26,400円 | 日本公式 |
| 重さ(メンズ) | 210g | 日本公式・テックシート |
| 重さ(ウィメンズ) | 182g | 日本公式・テックシート |
| 底の厚さ | かかと39.5mm/つま先側34mm | テックシート |
| ドロップ | 5mm(テックシートは4mm) | 日本公式 |
| 足幅 | レギュラーの1種類 | 日本公式 |
| 板 | カーボンファイバー配合の Speedboard | 日本公式 |
中身は3つの部品です。底に穴をあけた CloudTec、2層に重ねたフォームの Helion HF、カーボンファイバーを混ぜた板の Speedboard。
日本公式は、つま先が大きくせり上がった形で蹴り出しやすい、とも書いています。
サイズは、メンズが25.0〜31.5cm、ウィメンズが22.0〜28.0cmで、どちらも0.5cm刻み。2026年10月13日に日本公式で買える色は、メンズ3色、ウィメンズ3色でした。作っている国はベトナムです。
On クラウドブーム ボルト
楽天市場で見る前の世代から変わった所
Volt は2026年に生まれた名前で、前の世代がありません。そこで、寸法がいちばん近い靴と比べます。2024年7月に出た、初代の Cloudboom Strike です。
| 項目 | 初代 Strike | Volt | 差 |
|---|---|---|---|
| 重さ(メンズ) | 210g | 210g | 0g |
| かかとの厚さ | 39.5mm | 39.5mm | 0mm |
| つま先側の厚さ | 35.5mm | 34mm | −1.5mm |
| 発表のときのユーロの値段 | 280ユーロ | 240ユーロ | −40ユーロ |
| 日本公式の値段 | 30,800円 | 26,400円 | −4,400円 |
重さも、かかとの厚さも同じです。違うのはつま先側で、Volt が1.5mm薄い(35.5 − 34)。値段は、ユーロで40ユーロ下がり、割合にすると約14.3%(40 ÷ 280)。
日本公式の値段の差も約14.3%です(4,400 ÷ 30,800)。
作りは入れ替わっています。初代 Strike は、ミッドソールの上半分を外から落としこむ作りでした。Volt は、Helion HF を2層に重ねて板をはさむ、ふつうの組み方です。
テックシートは、ミッドソールに通した溝が着地で足を安定させる、と説明しています。
ここが、Volt でいちばん面白い所です。2年前のマラソン用と同じ厚さ・同じ重さを、もっと単純な作りで出して、値段を約14%下げた。レース用の寸法が、1段下の値段まで降りてきた靴です。
兄弟モデルとの違い
On のレース用は、Cloudboom の名前で3足あります。公式の書き分けは、距離と目標です。
表は横に動かせます →
| モデル | 重さ | ドロップ | 板 | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| Cloudboom Strike 2 | 191g | 5mm | カーボンファイバー配合 | 35,200円 |
| Cloudboom Volt | 210g | 5mm | カーボンファイバー配合 | 26,400円 |
| Cloudboom Max | 296g | 8mm | グラスファイバー配合 | 28,600円 |
| Cloudboom Volt PAF(限定) | 220g | 6mm | カーボン製 | 35,200円 |
Strike 2 との差は19g(210 − 191)と8,800円(35,200 − 26,400)。1g軽くするのに約463円かかります(8,800 ÷ 19)。
底の形も違い、Strike 2 は穴ではなく溝を入れた CloudTec Sphere です。日本公式は Strike 2 を「マラソンとハーフマラソン向け」と書いています。
19gの重みを、ハーフマラソンに当てはめます。1歩を1mと置くと、21.0975kmは約21,098歩。片足は約10,549回です(21,098 ÷ 2)。
19g × 10,549回で、片足が持ち上げる重さの合計は約200kgぶん違います。フルなら、この倍です。
Max は、Volt より86g重い(296 − 210)。そのかわり、日本公式のサポートの欄が「安定感」で、特長に「フルマラソンでサブ4.5を目指す方に」と書かれています。Volt のサポートの欄は「ニュートラル」です。
- 本番は10kmとハーフ。練習でも使う → Cloudboom Volt
- フルでタイムを狙う。本番用を1足だけ → Cloudboom Strike 2
- フルを4時間半前後で走る。安定がほしい → Cloudboom Max
- PAF 版は選ばなくていい。10g重く、値段は Strike 2 と同じ段です
Strike 2 を世代替えの数字で読んだ節は、On の2026年の新作6足の記事にあります。
On クラウドブーム ストライク(商品名で世代を確かめる)
楽天市場で見るほめる所
1つ目は、値段のわりに中身が上の段と同じこと。1gあたりの値段を出すと、Volt は約126円(26,400 ÷ 210)、Strike 2 は約184円(35,200 ÷ 191)です。
板の素材はどちらもカーボンファイバー配合で、フォームもどちらも Helion HF。素材の名前は同じまま、1gあたりが約3割安くなっています。
2つ目は、使い道の広さを公式が書いていること。日本公式は「10kmのスピード練習からハーフマラソンまで幅広く対応」。テックシートは、10km、ハーフ、マラソン、その間のすべてに向けて作った、と書いています。本番専用の靴とは、説明の向きが違います。
3つ目は、長く使う前提の構造です。テックシートは、走る量の多いランナーの靴だとして、丈夫な構造が何kmも走ったあとまで力を出す、と説明しています。
On のレース用で、耐久を売りにした文が載っているのは、私が読んだ中ではこの1足でした。
4つ目は、底のゴムの説明。日本公式は「カーブでも確かなグリップ力と安定性を発揮するラバーアウトソール」と書いています。折り返しや曲がり角の多い市民レースの10kmを、想定に入れている書き方です。
気をつける所
ドロップの数字が3つあります。日本公式は5mm、テックシートは4mm、厚さの引き算では5.5mm(39.5 − 34)。どれも On の出した数字です。
1mm単位で高低差を合わせている人は、4〜5.5mmの幅がある靴だと思って選びます。
フルでの立ち位置は、資料ごとに少し違います。テックシートの区分は「マラソンまでの大会」。いっぽう、同じテックシートは、後ろへ寄せたロッカー(底のそり上がり)を「ハーフまでの距離に理想的」と書いています。
日本公式の区分は「5〜10km」と「ハーフマラソン」の2つです。フルが本番なら、公式が名指ししているのは Strike 2 のほうです。
足幅は1種類です。日本公式の商品ページの一覧に、Volt の幅広のページはありませんでした。フィットの欄は「レギュラー」です。
底の厚さは、日本公式の商品ページに載っていません。39.5mmと34mmは、テックシートを開かないと読めない数字です。
向く人・向かない人
- 本番が10kmかハーフ。同じ靴でスピード練習もしたい
- レース用を初めて買う。Strike 2 の値段までは出したくない
- 初代 Strike の厚さと重さが気に入っていた
- フルでタイムを狙う。19g軽い Strike 2 の役割です
- 幅広の靴でないと合わない。Volt に幅広はありません
- レースに出る予定がない。毎日の練習なら、1gあたり約82円の Cloudmonster 3 で足ります
ハイロックスで使う場合の比べ方は別です。ジム用でいちばん軽い Cloud X Tempo Pro は267.4gで、Volt のほうが約57g軽い(267.4 − 210)。
そりの種目で底のゴムをどう見るかは、On のシューズをハイロックス目線で選ぶ記事に書いています。
値段と買い方
| モデル | 公式の値段 | 楽天の値段の幅 |
|---|---|---|
| Cloudboom Volt | 26,400円 | 26,400〜50,800円 |
| Cloudboom Strike 2/初代 Strike | 35,200円/30,800円 | 38,500〜44,000円 |
| Cloudboom Max | 28,600円 | 19,999〜28,600円 |
公式で買うと、買ってから30日以内で使っていなければ返品でき、商品ページには配送料無料と書かれています。サイズに迷う人は、公式のほうがやり直しがききます。
初代 Strike が店に残っていても、Volt より高ければ選ぶ理由は小さくなります。重さとかかとの厚さが同じだからです。初代の落としこみ式の作りにこだわる人だけが、初代を選べば足ります。
On クラウドブーム ボルト
楽天市場で見るよくある質問
サイズ感は、大きめですか、小さめですか
日本公式の「サイズとフィット感」の欄は、「レギュラー。表記通りのサイズ。」です。メンズは25.0〜31.5cm、ウィメンズは22.0〜28.0cmの0.5cm刻みで、幅は1種類。
公式は、左右で大きいほうの足に合わせてサイズ表を見るよう書いています。
フルマラソンで使ってもいいですか
テックシートの区分は「マラソンまでの大会」なので、作りの上では対象に入っています。ただ、日本公式が Volt に付けている距離の札は「5〜10km」と「ハーフマラソン」。フルの札が付いているのは Strike 2 です。
フルの本番用として買うなら、私は Strike 2 を先に見ます。フルのレース用を他社と並べた表は、フルマラソンの厚底カーボンの記事にあります。
ウィメンズは、メンズと何が違いますか
日本公式の重さは182gで、メンズより28g軽い(210 − 182)。値段・ドロップ・特長の説明は同じです。1gあたりにすると約145円(26,400 ÷ 182)。色は、ウィメンズだけの組み合わせが2つありました。