ヨギリ スピードは、アシックスが「フルマラソンで4時間切りをめざす人」と相手を決めて作った、カーボンの板入りの靴です。約227g(27.0cm片足)、底は34.5〜39.5mm、24,200円。2026年9月10日に公式オンラインストアで先に出て、9月17日から店に並びました。足幅はスタンダードだけ、色は1色です。
シューズオタクの本命
ヨギリ スピードは、メタスピードと同じ厚さの底を、かかとから着く人のために作り直した靴として買う。底の最大の厚さは約39.5mmで、トップ選手向けのメタスピード 2足と同じ数字。
違うのは板で、かかとの所を二股に割って硬さを逃がしてある。4時間前後で走る人の着地に、板のほうを合わせた1足だと私は読む。
この記事の要点
- 前作 S4+ ヨギリより約13g軽い。割合にすると約5.4%
- マジックスピード 5 より31g重く、2mm厚く、4,400円高い。足幅のワイドがあるのはマジックスピード 5
- サイズは22.5〜29.0cmの14通り。男女共用の1品番で、29.5cm以上はない
カーボンの板は、かかとから着く人には硬い
カーボンの板が入った靴は、速い人のもの。そう思われがちですが、アシックスの公式ページを読むと、板の側を作り変えて相手を広げた靴があります。
ヨギリ スピードの板は、かかとの所で二股に分かれています。公式の特集ページは、これで「カーボン特有の硬さ」をやわらげ、なめらかに接地できるようにした、と説明しています。メーカー自身が、板の硬さを弱点として書いているわけです。
板で前へ進む作りは残し、着地の所だけ板を割る。相手は、フルマラソンで4時間を切りたい人。この記事は、その1足だけを公式の数字で読みます。板入りの靴どうしの比べ方は厚底カーボン10足の記事にあります。
公式の数字
| 項目 | ヨギリ スピード |
|---|---|
| 発売日 | 2026年9月10日(公式オンラインストア先行)/9月17日から直営店・スポーツ用品店 |
| 公式の値段 | 24,200円 |
| 重さ | 約227g(27.0cm片足) |
| 底の厚さ | 34.5〜39.5mm |
| ドロップ | 5mm(計算) |
| 足幅 | スタンダードだけ |
| 板 | カーボン(かかとが二股) |
| サイズ | 22.5〜29.0cm(0.5cm刻み・男女共用) |
| 色の数 | 1色 |
名前の「スピード」は、この世代から付きました。リリースは、4時間切りを後押しするねらいで加えた、と書いています。
先行発売から店に並ぶまでは7日(9月10日→17日)。値段を重さで割ると、1gあたり約107円です(24,200 ÷ 227)。
アシックス ヨギリ スピード
楽天市場で見る4時間切りを、数字に直す
公式が名指しする「サブ4」が、どんな走りなのかを計算で置いておきます。
| 項目 | 数字 | 式 |
|---|---|---|
| 1kmあたりのペース | 約5分41秒 | 240分 ÷ 42.195km |
| 片足が地面を離れる回数 | 約21,098回 | 歩幅1mとして 42,195歩 ÷ 2 |
| 前作との13gの差 | 約274kgぶん | 13g × 21,098回 |
| マジックスピード 5 との31gの差 | 約654kgぶん | 31g × 21,098回 |
4時間は、2時間5分で走る選手の約1.9倍の時間です(240 ÷ 125)。同じ距離でも、靴の上にいる時間がほぼ倍になります。公式がかかとの安定と、後半の脚への負担を前に出すのは、長い時間を走る人が相手だからだと私は読みます。
前の世代から変わった所
ヨギリ スピードは、S4+ ヨギリの後継です。そのもとは、2023年2月に出た S4。3つの世代を、公式で読めた範囲で並べます。
| 項目 | S4(2023年) | S4+ ヨギリ | ヨギリ スピード |
|---|---|---|---|
| 公式の値段 | 22,000円 | 未確認 | 24,200円 |
| 重さ | 記載なし | 約240g(計算) | 約227g |
| 底の上の層 | FF BLAST TURBO | 未確認 | FF LEAP |
| 板 | V字のカーボン | 未確認 | かかとが二股のカーボン |
| 足幅・サイズ | スタンダード・22.5〜29.0cm | 未確認 | スタンダード・22.5〜29.0cm |
重さ:約13g軽くなりました(27.0cm片足)。割合にすると約5.4%です(13 ÷ 240)。
底の素材:上の層が FF LEAP、下の層が FF BLAST PLUS。FF LEAP は、公式がアシックスのクッション素材でいちばん軽いと説明する素材で、メタスピードにも使われています。
リリースは、クッションと反発を両立させ、後半の脚への負担を減らすことをねらった、と書いています。
板:かかとの所を二股に変更。初代の S4 は、前足部から後ろへ通る V字の板でした。板の形を世代ごとに描き直しているのが、この系統の特徴です。
底のゴム:ASICSGRIP を使い、まん中からかかとにかけて接地面を広げています。まん中の内側にもゴムを足しました。公式の説明では、かかとから着いたときの安定を高め、足の過度な倒れこみを抑えるためです。
変えた所を並べると、板のかかと、ゴムのかかと、ゴムの内側。3つのうち2つが、かかとです。この世代交代は、かかとの作り直しだと言えます。
値段は、初代の S4 と比べると2,200円上がっています(24,200 − 22,000)。3年半で1割です(2,200 ÷ 22,000)。
兄弟モデルとの違い
アシックスの板入りを、値段の順に3つ並べます。
| マジックスピード 5 | ヨギリ スピード | メタスピード エッジ/スカイ トーキョー | |
|---|---|---|---|
| 重さ | 196g | 約227g | 未確認 |
| 底の厚さ(最大) | 約37.5mm | 約39.5mm | 約39.5mm |
| ドロップ | 7mm | 5mm(計算) | 5mm |
| 公式の値段 | 19,800円 | 24,200円 | 29,700円 |
| 公式が言う相手 | 初めて板入りを試す人 | 4時間切りをめざす人 | トップアスリート |
| 足幅 | スタンダード・ワイド | スタンダード | スタンダード |
マジックスピード 5 との違い:ヨギリ スピードは、31g重く(227 − 196)、2mm厚く、4,400円高い(24,200 − 19,800)。
上の層の FF LEAP と下の層の FF BLAST PLUS、カーボンの板、という材料は同じです。違いは、かかとの作りと、公式が決めた相手にあります。
1gあたりの値段は、ヨギリ スピードが約107円、マジックスピード 5 が約101円(19,800 ÷ 196)。ほぼ同じです。重いぶんだけ高い、という並びで、ヨギリ スピードが割高なわけではありません。
メタスピードとの違い:底の最大の厚さは同じ約39.5mm。値段はヨギリ スピードが5,500円低く、メタスピードの約81%です(24,200 ÷ 29,700)。
公式はメタスピードを「トップアスリート向け」と書き、ヨギリ スピードには「サブ4」と書いています。同じ厚さの底を、別の速さの人に向けて作り分けた2つです。
- 大会の日の1足を、かかと着地のまま板入りで選びたい → ヨギリ スピード
- 軽さと値段を取る。足幅のワイドがほしい → マジックスピード 5
- 公式が「トップアスリート向け」と書く速さで走る → メタスピード
- カーボンの硬さそのものを避けたい → 樹脂の板のソニックブラスト 2(重さと厚さは未確認)
アシックス マジックスピード 5
楽天市場で見るほめる所
相手を、タイムで決めてある。「中級者向け」のようなぼんやりした言い方ではなく、4時間。初代の S4 から3世代、同じ相手に向けて作り続けています。
自分が相手に入っているかどうかを、読者が数字で判断できる靴は多くありません。
板の硬さを、板の形で解いた。素材を足して隠すのではなく、板そのものを割る。かかとから着く人に、板のほうを合わせにいった作りです。底のゴムまで、かかとと内側に足してあります。
レース用の素材が入って、厚さは規則の内側。上の層は、メタスピードと同じ FF LEAP。底の最大は約39.5mmで、厚底カーボンの記事に書いたロードの上限40mmまで、0.5mmを残しています(40 − 39.5)。
軽くなった量が、数字で書いてある。約13g。2026年のアシックスの新作では、重さの差を数字で書かなかった靴が2足あります。比べる材料を出している、というだけで私は評価します。
気をつける所
選べるのは、1つの幅と1つの色。足幅はスタンダードだけ、色はアクアリウム×ホワイトだけです。サイズは22.5〜29.0cmの14通りで((29.0 − 22.5) ÷ 0.5 + 1)、29.5cm以上はありません。
ドロップは、公式に数字そのものが出ていない。この記事の5mmは、厚さの幅からの引き算です。
毎日はく靴ではない。公式の特集ページの言葉は、サブ4をめざす人の「勝負の一足」。はく日が限られる靴に、この値段を払うことになります。
前作との差は13g。板のかかとと素材は変わりましたが、重さの差だけなら、買い替えを急ぐ量ではありません。
向く人・向かない人
- 向く人:フルマラソンの目標が4時間前後で、かかとから着く人。メタスピードの「トップアスリート向け」という言葉に、自分は当てはまらないと感じた人。
- 向かない人:足幅が広めの人(ワイドがない)。29.5cm以上の人。毎日の練習用を探している人。
- 買わなくていい人:S4+ ヨギリを持っていて、かかとの硬さが気になっていない人。目標が5時間より先の人は、板のない靴のほうが公式のすすめ先に合います。
値段と買い方
| モデル | 公式の値段 | 楽天の値段の幅 |
|---|---|---|
| ヨギリ スピード | 24,200円 | 21,200〜24,200円 |
| S4+ ヨギリ(前の世代) | 未確認 | 12,900〜22,000円 |
| マジックスピード 5 | 19,800円 | 10,500〜19,800円 |
| メタスピード エッジ トーキョー | 29,700円 | 26,070〜92,258円 |
前の世代が残っているなら、比べる物差しは、かかとです。板の二股と、広げたゴム。かかとから着く自覚がある人は新しい世代、そうでない人は前の世代で足ります。
色は1色なので、迷うのはサイズだけです。男女共用の1品番で、22.5cmから29.0cmまで同じ作りです。
アシックス ヨギリ スピード
楽天市場で見るアシックス S4+ ヨギリ(前の世代)
楽天市場で見るよくある質問
サイズ感はどう選べばいいですか
公式が出している手がかりは、22.5〜29.0cmの0.5cm刻みと、足幅がスタンダードだけ、という2つです。ワイドの設定がないので、ふだんアシックスのワイドをはいている人には、幅の逃げ道がありません。
その人は、ワイドのあるマジックスピード 5 を先に見るほうが合います。
マジックスピード 5 とどちらを買えばいいですか
重さと値段ならマジックスピード 5 です。31g軽く、4,400円低い。ヨギリ スピードを選ぶ理由は、かかとの二股の板と、2mm厚い底、そして公式が4時間切りの人に向けて作ったと書いていること。
かかとから着く人はヨギリ スピード、軽さを取る人はマジックスピード 5、と私は分けます。
練習でも使えますか
公式は、大会の日の靴として紹介しています。練習用とレース用をタイムごとに分けた組み合わせは、タイム別のシューズの記事のサブ4の欄に並べました。
アシックスのほかの10足との位置関係は、アシックスのおすすめ11足の記事にあります。