Forerunner 170 は、2026年5月28日に発売された Garmin の入門のランニングウォッチです。日本公式の表示は47,800円・41g・1.2インチの有機 EL の画面・GPS モードで約20時間。同じ日に、39,800円の Forerunner 70 と、音楽を入れられる 170 Music(55,800円)も出ました。公式がすすめる相手は、日常にランニングを取り入れ、大会も楽しみたい人です。
シューズオタクの本命
Forerunner 170 は、Suica と気圧高度計に8,000円を払う時計だ。電池だけなら、8,000円安い Forerunner 70 のほうが3時間長い。
170 にだけ入るのは、Garmin Pay(Suica)、気圧高度計、電子コンパス、ジャイロ。坂のあるコースを走る人と、走った帰りに財布を出したくない人には、その8,000円に理由がある。平らな道だけなら、私は70を選ぶ。
この記事の要点
- 前の Forerunner 165 から、値段は39,800円→47,800円で約2割上がり、GPS モードの電池は約19時間→約20時間
- マルチGNSSの設定にすると約14時間。前の165の約17時間より3時間短い
- フルマラソンは3回ぶん入る。100kmのトレイルには5時間以上足りない
安いほうが、電池が長い
同じ日に出た兄弟の時計は、高いほうが電池も長い。そう考えて Garmin の発表の表を読むと、逆になっています。
39,800円の Forerunner 70 は、GPS モードで約23時間。47,800円の Forerunner 170 は、約20時間。8,000円高い170のほうが、3時間短い(23 − 20)。
では、170の8,000円は何の値段なのか。この記事は、その中身を公式の数字で確かめます。入門機どうしの比べ方はランニングウォッチ12機種の記事に置いたので、ここでは170の話だけをします。
公式の数字
| 項目 | Forerunner 170 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年5月28日(予約は5月21日から) |
| 公式の値段 | 47,800円(170 Music は55,800円) |
| 重さ | 41g |
| 大きさ | 42.6 × 42.6 × 11.9mm |
| 画面の種類と大きさ | 有機 EL(AMOLED)・1.2インチ・390 × 390ピクセル |
| GPS を使ったときの電池 | GPS モード 約20時間/マルチGNSS 約14時間 |
| ふだんの電池 | 約10日(節約の設定で約19日) |
| 防水 | 5ATM(50m防水) |
| 地図 | なし(時計に地図を出す機能は非対応) |
| 2周波の GPS | 非対応 |
| 色 | 170 は2色、170 Music は4色 |
値段を GPS モードの時間で割ると、1時間あたり2,390円です(47,800 ÷ 20)。マルチGNSSの設定で割ると、約3,414円になります(47,800 ÷ 14)。
マルチGNSSは、アメリカの GPS だけでなく、ほかの国の衛星も同時に受ける設定です。受ける電波が増えるぶん、電池は6時間、3割短くなります(6 ÷ 20)。
ビルの間や木の下で位置を安定させたい日に使う設定なので、レースで使うつもりなら、読むのは14時間のほうです。
Garmin Forerunner 170
楽天市場で見る前の機種から変わった所
前の機種は Forerunner 165 です。日本公式の製品ページには、いま「販売終了」の表示が付いています。ページに残っている数字と、170の数字を並べました。
| 項目 | 165 | 170 | 差 |
|---|---|---|---|
| 公式の値段 | 39,800円から | 47,800円 | +8,000円 |
| 重さ | 39g | 41g | +2g |
| 厚さ | 11.6mm | 11.9mm | +0.3mm |
| GPS モード | 約19時間 | 約20時間 | +1時間 |
| マルチGNSS | 約17時間 | 約14時間 | −3時間 |
| ふだんの電池 | 約11日 | 約10日 | −1日 |
| 画面 | 1.2インチ・390 × 390 | 1.2インチ・390 × 390 | 同じ |
| GPS 1時間あたりの値段 | 2,095円 | 2,390円 | +295円 |
値段は約20%上がりました(8,000 ÷ 39,800)。GPS モードの電池は1時間のびて、約5%です(1 ÷ 19)。画面の大きさと細かさは、数字が同じ。スペック表の上では、値段ほどには動いていない世代替えです。
気になるのは、マルチGNSSの行です。165 の約17時間が、170 では約14時間になっています。3時間、約18%短い(3 ÷ 17)。新しい機種のほうが、重い設定での時間は短くなりました。
では、何が足されたのか。発表が新しい機能として挙げているのは、3つです。
- 初心者用の Garmin コーチ/おすすめワークアウト:強さと量を抑えた内容や、走りと歩きを混ぜた内容を出す
- クイックワークアウト:2〜3項目を選ぶと、インターバルの内容を自動で組む
- イブニングレポート:朝のレポートに加えて、夜に、今晩要る睡眠時間と明日の予定を出す
どれも、時計の中の案内の話です。発表には、165と比べた文がありません。だから「165に無くて170にある物」を、公式の言葉で言い切ることはできません。数字で言えるのは、上の表の差までです。
165の値段の席には、いま70が座っている
165 が39,800円から、70 が39,800円。同じ額です。ただし、中身は同じではありません。
165 の製品ページのセンサーの欄には、気圧高度計とコンパスが載っています。70 の製品ページには載っていません。発表も、電子コンパスや気圧高度計は「170シリーズのみ」と書いています。
つまり、165を使っていた人が同じ額で70に替えると、高度計を失います。高度計を残したければ、8,000円足して170。入門機の値段の階段が、1段上にずれた形です。
Garmin Forerunner 165(前の機種)
楽天市場で見る兄弟機種との違い
表は横に動かせます →
| 70 | 170 | 170 Music | 570(47mm) | |
|---|---|---|---|---|
| 公式の値段 | 39,800円 | 47,800円 | 55,800円 | 74,800円 |
| 重さ | 40g | 41g | 41g | 50g |
| GPS モード | 約23時間 | 約20時間 | 約20時間 | 約18時間 |
| 重い設定 | 約16時間 | 約14時間 | 約14時間 | 約14時間 |
| 気圧高度計・Garmin Pay | なし | あり | あり | 未確認 |
| 音楽 | なし | なし | あり(約6.5時間) | あり |
| 2周波の GPS | 未確認 | 非対応 | 非対応 | 対応 |
70 との違い:8,000円安く、1g軽く、電池は3時間長い。170 が持っているのは、Garmin Pay(Suica に対応)、気圧高度計、電子コンパス、ジャイロです。
70 の内蔵メモリーは512MB、170 は4GBと製品ページにあります。
170 Music との違い:差は8,000円(55,800 − 47,800)。音楽を時計に入れて、スマートフォンなしで聞けます。Wi-Fi もこちらだけです。
音楽を流しながら GPS を使うと、電池は約6.5時間。6時間のフルマラソンで、30分しか余りません(6.5 − 6)。
570 との違い:差は27,000円(74,800 − 47,800)。2周波の GPS と、1.4インチの大きい画面が付きます。GPS モードの電池は、570のほうが2時間短い(20 − 18)。570 にも、時計に地図を出す機能はありません。
- 平らなロードだけ。電池と値段で選ぶ → 70
- 坂や山も走る。改札や買い物を時計で済ませたい → 170
- スマートフォンを持たずに音楽を聞く → 170 Music(フルマラソンで音楽を流しっぱなしにするなら、電池は30分の余り)
- ビルの間でも位置のずれを減らしたい → 570
Garmin Forerunner 70
楽天市場で見るほめる所
41gで、入門機に高度計が入っている。気圧高度計は、気圧の変化から上った高さを測る部品です。GPS だけで高さを出すより、細かい上り下りを拾えます。
坂のあるコースで「何m上ったか」を見たい人には、70 との差額の中でいちばん意味のある部品です。
財布なしで帰ってこられる。Garmin Pay が Suica に対応しています。走った先で飲み物を買う、電車で帰る。その場面に、時計1本で足ります。
画面は、上の機種と同じ有機 EL。1.2インチ・390 × 390ピクセル。入門機だからといって、画面の種類を落としていません。タッチとボタンの両方で動かせて、タッチは切ることもできます。
入門機なのに、レース向けの項目が並ぶ。製品ページの一覧には、レースの予想タイム、区間ごとの目標ペースを出す PacePro、コースのナビ、ランニングパワー、トレーニングレディネスが載っています。
アクティビティには、トレイルラン、トラックラン、ウルトララン、オープンウォータースイムもあります。
気をつける所
電池は、兄弟の中で長いほうではない。70 より3時間短く、前の165 より、重い設定では3時間短い。電池を理由に170を選ぶ筋は、数字の上にはありません。
時計に地図は出ない。コースのナビは一覧にありますが、地図の表示は非対応です。線をたどる案内で、周りの道や地形までは見られません。知らない山道で地図を見たい人は、地図が入る SUUNTO Run 2 の側です。
2周波の GPS は非対応。2つの周波数を受ける設定は、570 から上です。
トライアスロンの項目を、製品ページの一覧から読み取れなかった。スイム・バイク・ランは、それぞれ別のアクティビティとして載っています。3種目を1つの記録として通す機能があるかどうかは、未確認です。
音楽は Music の型だけ。170 に、あとから音楽の機能を足すことはできません。買う前に決める所です。
向く人・向かない人
電池の時間を、レースの制限時間で割ります。1を超えれば足ります。制限時間は、当サイトの大会カレンダーと必携品の記事で、公式の要項から読んだ数字です。
| レース | 制限時間 | GPS モード(20時間) | マルチGNSS(14時間) |
|---|---|---|---|
| フルマラソン | 6時間 | 足りる(3.3回ぶん) | 足りる(2.3回ぶん) |
| ミドルのトライアスロン(長良川 102km) | 7時間30分 | 足りる | 足りる |
| ロングのトライアスロン(宮古島) | 13時間 | 足りる | 足りる(余り1時間) |
| 伊豆トレイルジャーニー 70k | 14時間 | 足りる | ちょうど |
| OSJ KAMI100 の 100K | 25時間 | 5時間足りない | 11時間足りない |
| Tokyo100(101km) | 30時間 | 10時間足りない | 16時間足りない |
フルマラソン:足ります。どちらの設定でも、2回ぶん以上入ります。設定を選ぶ自由がある、ということです。
100kmのトレイル:足りません。制限時間25時間の大会で、GPS モードでも5時間届きません(25 − 20)。トレイルにも出る立場で言うと、私は20時間という数字を「70km級の山の手前まで」と読みます。
14時間の伊豆で余りが6時間、21時間を超える大会からは外れます。
トライアスロン:電池は足ります。ただし1本目にはしません。13時間のロングでも、GPS モードなら7時間余ります(20 − 13)。引っかかるのは電池ではなく、3種目を通す項目を公式の一覧で読めていないことです。
トライアスロンが目的なら、それが公式に書かれている機種を先に見ます。
- 向く人:フルマラソンやハーフに出る人。坂のあるコースを走る人。Suica を時計に入れたい人。
- 向かない人:70km を超えるトレイルに出る人。時計で地図を見たい人。
- 買わなくていい人:Forerunner 165 を持っていて、電池に不満がない人。平らな道だけを走り、Suica も高度計も使わない人(70 で足ります)。
値段と買い方
| 機種 | 公式の値段 | 楽天の値段の幅 |
|---|---|---|
| Forerunner 170/170 Music | 47,800円/55,800円 | 43,350〜55,800円 |
| Forerunner 165(前の機種・販売終了) | 39,800円から | 39,800〜74,800円 |
| Forerunner 70 | 39,800円 | 36,099〜39,800円 |
| Forerunner 570 | 74,800円 | 67,320〜74,800円 |
買う前に決めるのは、音楽の要る・要らないです。170 と 170 Music は品番が別で、色の数も違います。170 は2色、Music は4色。色で選んで Music の型を取ると、表の差額が乗ります。
店に残る165は、前の機種として安く出ていれば、選ぶ理由があります。GPS モードの差は1時間、重い設定ではむしろ3時間長い。足りないのは、発表にある3つの新しい案内の機能です。
Garmin Forerunner 170
楽天市場で見るGarmin Forerunner 570
楽天市場で見るよくある質問
Forerunner 165 から買い替える意味はありますか
電池の数字からは、ありません。GPS モードは1時間のびただけで、マルチGNSSは3時間短くなっています。買い替えの理由になるのは、発表にある初心者用のコーチ、クイックワークアウト、イブニングレポートの3つを使いたい場合です。
時計で地図を見ながら走れますか
見られません。製品ページでは、時計に地図を出す機能は非対応です。コースのナビは一覧に載っているので、あらかじめ入れた道すじをたどる使い方になります。地図まで欲しい人は、12機種の記事で地図のある機種を見てください。
Suica は、70 でも使えますか
使えません。発表は、Garmin Pay(Suica 対応)を「170シリーズのみ」としています。70 との8,000円の差のうち、走らない日にも使うのは、この機能です。