先に書きます。アディオス プロ Evo 3 は世界で数量限定の靴で、アディダス ジャパンの発表は「国内での販売については未定」。円の値段も出ていません。数字は、27.0cmで97g、底はかかと39mm・前足部36mm、ドロップ3mm、本国の値段は500ドル。読んで楽しむ靴であり、次の世代のレース用がどこへ向かうかを教えてくれる靴です。
シューズオタクの本命
97gは、底を削って出した数字ではない。かかとは39mmで、200gのアディオス プロ 4 と同じ厚さがある。軽くなったのはフォームそのものだ。
だから私は Evo 3 を買う靴としてではなく、同じ作りが降りてきたプロ 5 を選ぶための物差しとして読む。
この記事の要点
- Evo 2 より30%軽い、という発表から逆算すると Evo 2 は約139g。1世代で約42g減った
- 1gあたり約5.2ドル。アディオス プロ 5(約1.55ドル)の約3.3倍
- 両足で194g。アディオス プロ 4 の片足200gより6g軽い
公式の数字
レース用の厚底は、200gを切れば軽いと言われてきました。Evo 3 は、その半分より下です。アディダスの開発の合言葉は「はかりの数字を2けたに」だった、と本国の発表にあります。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 発表 | 2026年4月(初公開は2月の東京マラソンEXPO) |
| 発売 | 本国は4月25日に数量限定。日本は未定 |
| 値段 | 500ドル・500ユーロ(円は未確認) |
| 重さ | 平均97g(27.0cm・片足) |
| 底の厚さ | かかと39mm/前足部36mm |
| ドロップ | 3mm |
| カーボン | ENERGYRIM(外周のふちの形) |
| 色 | 白に黒の3本線 |
| 足幅・サイズの範囲 | 未確認 |
重さには、もう1つ細かい数字があります。2026年2月の東京マラソンEXPOで初めて公開されたとき、アディダス ジャパンは97.27g(27.0cm・片足)と書いていました。
素材は4つです。フォームが LIGHTSTRIKE PRO EVO。それを支えるふちが ENERGYRIM。アッパーは、カイトサーフィンの帆の作りから着想を得た軽い生地。
底のゴムはコンチネンタルラバーで、前足部に部分的に置かれています。
日本で値段が付いているアディダスのレース用は、アディオス プロ 4 です。
アディダス アディゼロ アディオス プロ 4
楽天市場で見る前の世代から変わった所
発表は、前の世代の Evo 2 との差を3つの割合で書いています。Evo 2 の重さそのものは書かれていないので、割合から逆算します。
| 項目 | 発表の数字 | そこから計算できること |
|---|---|---|
| 重さ | 30%軽い | Evo 2 は約139g(97 ÷ 0.7)。減ったのは約42g(139 − 97) |
| 前足部の反発 | 11%増 | — |
| ランニングエコノミー | 1.6%改善 | — |
| フォームの重さ | これまでより50%近く軽い | — |
ランニングエコノミーは、同じ速さで走るのに使うエネルギーの少なさのことです。
1世代で約42g。アディオス プロ 4 からプロ 5 への差が23gなので、その2倍近くを、もともと軽い靴から削ったことになります。
どこで削ったのか。発表が挙げるのはフォームです。LIGHTSTRIKE PRO EVO は、これまでのものより50%近く軽い。そのやわらかく軽いフォームを、足の真下にたっぷり置くための仕組みが ENERGYRIM です。
カーボンを組みこんだ骨組みが底の外周を回り、フォームを囲って硬さを出します。かかとの裏には、ふちが鏡のように見える窓があります。
開発には3年かかり、12を超える試作を重ねた、と発表は書いています。ひもや縫い目まで、重さを見直したそうです。
兄弟モデルとの違い
表は横に動かせます →
| モデル | 重さ(27.0cm) | かかと/前足部 | ドロップ | 公式の値段 |
|---|---|---|---|---|
| アディオス プロ Evo 3 | 97g | 39/36mm | 3mm | 500ドル |
| アディオス プロ 5 | 約177g | 39/35mm | 4mm | 275ドル |
| アディオス プロ 4 | 200g | 39/33mm | 6mm | 28,600円 |
3足とも、かかとは39mmです。違うのは前足部で、33mm、35mm、36mmと、新しい靴ほど厚い。ドロップは6mm、4mm、3mmと小さくなっています。
アディダスのレース用は、軽くしながら底を平らにする方向へ進んでいます。
重さの差は、プロ 5 と80g(177 − 97)、プロ 4 と103g(200 − 97)。Evo 3 は両足で194g(97 × 2)なので、プロ 4 の片足200gより6g軽いことになります。
- 1つのレースに500ドルを出せて、買える機会を待てる人 → Evo 3
- 同じふちの作りを、もっと現実的な値段で使いたい人 → プロ 5(日本の発売は未定)
- 今日、日本で買って冬のレースに出る人 → プロ 4
プロ 5 のくわしい数字は、アディオス プロ 5 の記事に書きました。
ほめる所
97gで、かかと39mmを保ったこと。これに尽きます。軽くするために底を薄くした靴ではありません。厚さはプロ 4 と同じで、前足部は3mm厚い(36 − 33)。
それで重さは半分以下です(97 ÷ 200 = 48.5%)。
重さの差を、マラソンの歩数に直します。歩幅1.2mなら、片足は約17,581回、地面を離れます(42,195 ÷ 1.2 ÷ 2)。プロ 4 との差の103gをかけると、約1,811kgぶん。片足が持ち上げなくてすむ重さが、1.8トンあります。
実績も、アディダスの発表に書かれています。2026年9月のアディダス ジャパンの発表は、Evo 3 を「人類史上初のマラソン2時間切り」を支えた靴と呼んでいます。
気をつける所
値段です。1gあたり約5.2ドル(500 ÷ 97)。プロ 5 は約1.55ドル(275 ÷ 177)なので、約3.3倍になります。軽い靴ほど、1gが高い。
何kmもつかの目安は、発表に書かれていません。底のゴムは前足部に部分的にあるだけで、発表も「重さを増やさずにグリップを確保する」ための置き方だと説明しています。長く使うことを先に考えた作りではない、と読めます。
日本での販売は未定です。足幅とサイズの範囲も、発表にはありません。開発は、先頭を走る選手のレースを想定した、と書かれています。
向く人・向かない人
向く人:記録のかかった1つのレースに500ドルを出せて、買える機会が来るまで待てる人。
向かない人:練習にも使える1足を探している人。値段と、底のゴムの少なさが合いません。
買わなくていい人:ほとんどの人です。ふちの作りに興味があるなら、同じ仕組みを持つプロ 5 の日本発売を待てば足ります。板も棒もない EVO SL は、名前のとおり Evo の系統の形を受けついだ練習用で、今日買えます。
アディダス アディゼロ EVO SL
楽天市場で見る値段と買い方
| モデル | 公式の値段 | 1gあたり | 楽天の値段の幅 |
|---|---|---|---|
| アディオス プロ Evo 3 | 500ドル(円は未確認) | 約5.2ドル | 日本では販売未定 |
| アディオス プロ 5 | 275ドル(円は未確認) | 約1.55ドル | 日本では発売未定 |
| アディオス プロ 4 | 28,600円 | 143円 | 28,600〜262,200円 |
本国の買い方は、申し込みをして、買える権利を待つ形でした。発表は、秋のマラソンの季節にもう一度広く出す、と予告しています。日本については、決まったら会員向けのメールで知らせる、とあります。
日本で、数字が全部そろっていて、店で買えるレース用はプロ 4 です。楽天では、色とサイズで値段が変わります。
アディダス アディゼロ アディオス プロ 4
楽天市場で見るよくある質問
アディオス プロ Evo 3 は、日本で買えますか
アディダス ジャパンの発表は「国内での販売については未定」で、決まったら会員向けのメールで知らせる、と書いています。円の値段は出ていません。
2026年2月の東京マラソンEXPOでは、Evo 3 は公開され、会場で売られたのは前の世代の Evo 2 でした。
サイズ感は、どう確かめればいいですか
発表にあるサイズの情報は、重さの条件の27.0cm(本国の発表では UK 8.5)だけです。足幅の展開とサイズの範囲は書かれていません。アッパーの生地がほかのアディゼロと違うので、日本公式にサイズ表が出るまで、決める材料がそろいません。
Evo 3 は何km使えますか
発表に、距離の目安はありません。書かれているのは、底のゴムを前足部に部分的に置いて重さを抑えた、ということまでです。板入りの靴どうしの数字は、厚底カーボン10足の記事に並べています。