ナイキ ACG ウルトラフライ トレイル レビューカーボンの板をやわらかくした約276g

公開 2026年10月13日更新 2026年10月13日シューズ・道具公式の出典 5本広告を含みます

背景の写真:Felix yu(Unsplash)

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ACG ウルトラフライ トレイルは、ナイキのトレイルのレース用です。27cmで約276g、ドロップ8.5mm。ZoomX の底に、端から端までカーボンの板が入ります。公式の値段は36,080円で、ACG の3足でいちばん高い。トレイルの大会で時間や順位をねらう人の1足です。

シューズオタクの本命

この靴の売りは、板を「硬くした」ではなく「やわらかくした」ことにある。ロードのレース用は板の硬さで前へ転がすが、石と根の上では、硬い板は足ごと傾く。
ナイキは初代より板の硬さを落とし、背に切れ目を入れてしなるようにした。レースの日が決まっていて、その1日に3足でいちばん高い値段を払える人だけが買う靴だと私は読んでいる。

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この記事の要点

  • ACG の3足でいちばん軽い。ゼガマより27cmで39g、28cmでは51g軽い
  • 試し履きは13回の段階で3万マイル超。約48,270kmで、フルマラソン約1,144回ぶん
  • ロードのヴェイパーフライ 4 より28cmで97g重い。ロードのレース用の軽さを期待する靴ではない

公式の数字:板入りで約276g、ドロップは8.5mm

カーボンの板は、硬いほど良い。ロードの厚底で広まった見方です。ところがこの靴の商品ページは、初代より板の硬さを「軽減した」と書いています。

理由はあとの節で書きます。先に数字です。2026年10月13日にナイキ日本公式の商品ページで読んだもので、発売の時期は、ナイキ本体の2025年8月24日の発表から取りました。

項目公式の数字・表示
発売(世界向けの発表)2026年春
公式の値段(税込)36,080円
重さ(片足)約276g(27cm)/約287g(メンズ28cm)
底の厚さ未確認(数字の記載なし)
ドロップ(公式の表記はオフセット)8.5mm
足幅の展開記載なし(発表は、前足部とかかとを広げた靴型と説明)
板の有無あり(端から端までのカーボンの板。ナイキの呼び名は Flyplate)
底のフォームZoomX(中敷きも ZoomX、と発表)
底のゴムVibram メガグリップ(発表の表記は Vibram Litebase)
サイズ24〜31cm(0.5cmきざみ・15サイズ)
色6色
地形の表示低難度〜高難度のコース向け
ナイキ日本公式の商品ページ(スタイル HF5668)。底のゴムの呼び名は、商品ページと発表で書き方が違うので、両方を載せました。ラグ(底の突起)の深さは、どちらにも数字がありません。

27cmから28cmで増える重さは11gです(287 − 276)。割合で約4.0%(11 ÷ 276)。ゼガマの23g、ペガサス トレイルの19gより小さく、大きいサイズでも重くなりにくい作りです。

ナイキ ACG ウルトラフライ トレイル の商品画像(楽天市場)画像:楽天市場

ナイキ ACG ウルトラフライ トレイル

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前の世代から変わった所:板の背に切れ目を入れた

発表が挙げる変更は、板、底、甲、靴型の4か所です。

場所公式の説明
カーボンの板作り直した Flyplate。初代より硬さを落とし、背に切れ目を入れて、根や岩の上でしなるようにした
底のフォームZoomX を外から見える形に。地面の形に合わせて変形する。かかと側は包まない作り
甲の布作り直したメッシュ。水が抜けやすく、風が通りやすい
靴型(ラスト)トレイル専用の型。前足部とかかとを広げ、つま先まわりに余裕
足を止める部品内側のバンドと、甲の布につながったタン
ナイキの発表(2025年8月24日)と日本公式の商品ページから。

読者に知ってほしいのは、1行目の仕組みです。板は、底のフォームがつぶれて戻る動きを、1枚でまとめる部品です。平らな舗装路なら、硬い板ほど力の向きがそろいます。

トレイルの地面は平らではありません。硬い1枚板で石の角を踏むと、板は曲がらず、靴ごと横へ傾きます。そこでナイキは板の硬さを落とし、背に切れ目を入れた。
板の左右が別々に動けるので、地面の出っぱりを板がいなせる、という説明です。

商品ページも同じことを短く書いています。初代より硬さを軽減し、トレイルでのコントロール性を高めた、と。板の話なのに、言葉が「反発」ではなく「コントロール」になっている。ここに、ロードのレース用との考え方の差が出ています。

数字での比較は、公式にありません。初代の商品ページも日本公式に残っておらず、重さの差は未確認です。

数字で言えるのは、作るのにかけた量です。発表によると、開発は2年を超え、試し履きは13回の段階、合わせて3万マイル超。試したのは7か国とアメリカ25州のランナーです。

  • 3万マイル = 約48,270km(30,000 × 1.609)
  • 1回の段階あたり、約3,713km(48,270 ÷ 13)
  • フルマラソンにすると、約1,144回ぶん(48,270 ÷ 42.195)

発表は、1つの製品の試し履きとして、近年のナイキでいちばん多い距離だと書いています。ケイレブ・オルソン選手は、試作の段階の靴でウエスタンステイツを優勝しています。

兄弟モデルとの違い:39gと9,020円

ウルトラフライ トレイルゼガマ トレイルペガサス トレイル
公式の地形の表示低難度〜高難度高難度中難度
板端から端までカーボンの板前足部にロックプレートなし
ドロップ8.5mm4mm8mm
重さ(27cm)約276g約315g約286g
重さ(28cm)約287g約338g約305g
公式の値段36,080円27,060円17,930円
ウルトラフライとの値段の差—−9,020円−18,150円
1g軽くする値段—約231円約1,815円
2026年10月13日のナイキ日本公式の表示(税込)。「1g軽くする値段」は、ウルトラフライとの値段の差 ÷ 27cmの重さの差です(ゼガマ:9,020 ÷ 39 = 231円。ペガサス トレイル:18,150 ÷ 10 = 1,815円)。ゼガマのロックプレートは、ナイキの発表にある説明です。

ゼガマとの差は、27cmで39g(315 − 276)。28cmでは51gに開きます(338 − 287)。底のフォームは同じ ZoomX なので、差を作っているのは、ゼガマの2層めのフォームと足首の布、そしてゴムの量です。

ペガサス トレイルとの差は、たった10gです(286 − 276)。それで値段は2.01倍(36,080 ÷ 17,930)。軽さだけを見るなら、割に合いません。
払っているのは、ZoomX とカーボンの板と Vibram のゴムの3つに対してです。

ドロップは、ペガサス トレイルと0.5mmしか違いません(8.5 − 8)。ふだんの山をペガサス トレイル、レースの日をウルトラフライ、という履き分けは、かかとの高さの面では無理がない組み合わせです。ゼガマとは4.5mm違います。

  • レースで時間や順位をねらう、走れる区間が長いコース → ウルトラフライ トレイル
  • 完走が目標、岩場と長い下りで足を守りたい → ゼガマ トレイル。板は転がすためでなく、守るために入っている
  • 練習と行き帰りの舗装路まで1足ですませたい → ペガサス トレイル
  • 最初のトレイルの靴として買うのは、すすめない。値段の半分で、同じ高さのドロップのペガサス トレイルがある

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ほめる所

ロードのレース用の材料を、そのまま山へ持ち込んでいます。ZoomX は、ナイキがいちばん軽く、やわらかく、よく戻ると書くフォームで、発表はその戻りを85%としています。
そこにカーボンの板。組み合わせは、ヴェイパーフライと同じ系統です。

そのうえで、山向けの手直しが細かい。板はやわらかく、靴型は前足部とかかとを広く、甲は水が抜ける布に。発表は、水の中を渡る場面まで想定に入れています。

行き先の広さも、3足でいちばんです。日本公式の地形の表示は「低難度〜高難度」。発表は、標高差1kmを一気に上る種目から、何日も続くステージレースまで、トレイルのすべての種目のための靴と書いています。

サイズも広い。24cmから31cmまでの15サイズで、ほかの2足より2サイズ多い。発表は、メンズとウィメンズの両方のサイズで出すと書いています。

気をつける所

「レース用だから軽い」と思って数字を見ると、外れます。当サイトのナイキのランニングシューズ10足の記事で読んだヴェイパーフライ 4 は、28cmで約190g。
ウルトラフライは同じ28cmで約287gなので、97g重い(287 − 190)。

ロードの毎日用のペガサス 42(28cmで約300g)と比べても、13g軽いだけです(300 − 287)。Vibram のゴムと、広くした底のぶんが乗っています。軽いのは、あくまでトレイルの3足の中での話です。

値段は3足でいちばん高く、1gあたり約131円(36,080 ÷ 276)。ペガサス トレイルの約63円の2倍を超えます。

底の厚さとラグの深さは、数字がありません。底のゴムの呼び名も、商品ページは「メガグリップ」、発表は「Litebase」と書き方が分かれています。板の切れ目の話は、日本公式のページには出てきません。

向く人・向かない人

  • 向く人:出るトレイルの大会が決まっていて、時間や順位に目標がある人
  • 向く人:林道や走れる登山道の割合が高いコースに出る人。板と ZoomX を使う場面が長い
  • 向く人:ふだんはペガサス トレイルで、レースの日だけ別の靴にしたい人。ドロップの差が0.5mm
  • 向かない人:完走が目標の人。9,020円低いゼガマのほうが、守る部品が多い
  • 向かない人:1足を毎回の練習で履きつぶしたい人。3足でいちばん高い靴です
  • 買わなくていい人:ロードのレース用の軽さを山でも、と考えている人。その数字ではありません

値段と買い方

モデル公式の値段楽天の値段
ACG ウルトラフライ トレイル36,080円36,080〜101,800円
ウルトラフライ(初代)日本公式に掲載なし23,700円
ACG ゼガマ トレイル27,060円—
ACG ペガサス トレイル17,930円17,800〜83,500円
公式の値段は2026年10月13日のナイキ日本公式の表示(税込)。

店で探すときは、名前の頭の「ACG」を見ます。ACG が付かない「ウルトラフライ」は初代で、板が硬いほうの世代です。前足部とかかとを広げる前の靴型でもあります。

初代が安く残っていても、この靴に関しては、私は今の世代を選びます。変わったのが色や布ではなく、板そのものだからです。トレイルで板を使う理由が、世代の間で書き直されています。

ナイキ ACG ウルトラフライ トレイル の商品画像(楽天市場)画像:楽天市場

ナイキ ACG ウルトラフライ トレイル

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ナイキ ウルトラフライ(初代)

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よくある質問

サイズ感は、どう選びますか

発表が書いているのは、トレイル専用の靴型で、前足部とかかとを広げ、つま先まわりに余裕を持たせたことです。足を止めるのは、内側のバンドと、布につながったタンの役目です。

日本公式のサイズは24〜31cmの0.5cmきざみで15サイズ。幅広の版は、商品ページに記載がありません。ウィメンズだけのページは未確認で、開いたページは24cmから始まる1本の並びでした。

練習でも使えますか

日本公式が書く用途は「トレイルランニングとレース」です。レースだけ、とは書いていません。使える・使えないより、値段の話になります。

1gあたり約131円の靴を、ふだんの山で減らすかどうか。ドロップがほぼ同じACG ペガサス トレイルをふだん用にして、この靴を大会に取っておく組み方が、数字の上では素直です。

どの大会の距離まで使えますか

発表は、短い上りの種目から、何日も続くステージレースまでを挙げています。距離の上限は、公式に書かれていません。

長い大会では、靴より先に必携品のリストが決まります。トレイル4大会の必携品の記事に品目を並べました。岩場の多い長い大会で守りを取りたい人は、ACG ゼガマ トレイルの記事と見比べると、差がはっきりします。

この記事に出てきた道具

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出典

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