ACG ペガサス トレイルは、ナイキのトレイル3足の入り口にあたる靴です。27cmで約286g、ドロップ8mm、底に板は入りません。日本公式は地形を「中難度のコース向け」と表示していて、舗装路から砂利道、土の道までを1足でつなぐ人に向きます。
シューズオタクの本命
家の玄関から山の入り口まで走る人は、3足の中でこれを選ぶ。ナイキの発表は、この靴をトレイルの並びで最も用途の広い1足と呼び、舗装路から砂利道、トレイルへ移る使い方を挙げている。
底がナイキ自前のゴムで板も無いぶん、値段は3足でいちばん低い。岩場の守りを買う靴ではない、と割り切れる人の靴だと私は読んでいる。
この記事の要点
- 同じ年のロードのペガサス 42 との重さの差は27cmで1g。ドロップは2mm小さい8mm
- GORE-TEX 版は27cmで約291g。もとの版との差は5gで、値段は ACG ゼガマ トレイルと同じになる
- サイズは24〜30cmの13サイズ、色は6色。ウィメンズ版も同じ値段で日本公式に並ぶ
公式の数字:トレイルの靴なのに、ロードのペガサスと同じ重さ
トレイルの靴は、ゴムが厚いぶん重い。そう思って商品ページを開くと、この靴は当てはまりません。27cmの片足で約286g。同じ年のロード用、ペガサス 42 は約287gです。
数字は、2026年10月13日にナイキ日本公式の商品ページ(メンズ)で読んだものです。発売の時期だけは、ナイキ本体の2月24日の発表から取りました。
| 項目 | 公式の数字・表示 |
|---|---|
| 発売(世界向けの発表) | 2026年4月 |
| 公式の値段(メンズ・税込) | 17,930円 |
| 重さ(片足) | 約286g(27cm)/約305g(28cm) |
| 底の厚さ | 未確認(数字の記載なし) |
| ドロップ(公式の表記はオフセット) | 8mm |
| 足幅の展開 | 記載なし(つま先まわりを広くした設計、とだけ説明) |
| 板の有無 | なし(カーボンの板もロックプレートも説明に出てこない) |
| 底のフォーム | ReactX |
| 底のゴム | Nike All Terrain Compound(ATC) |
| サイズ | 24〜30cm(0.5cmきざみ・13サイズ) |
| 色 | 6色 |
| 地形の表示 | 中難度のコース向け |
27cmから28cmへ1cm上げると、重さは19g増えます(305 − 286)。割合で約6.6%です(19 ÷ 286)。自分のサイズの重さは、この幅で見当を付けられます。
ナイキ ACG ペガサス トレイル
楽天市場で見る前の世代から変わった所:名前に ACG が付き、底と靴型が替わった
まず名前です。ナイキは2026年2月2日の発表で、ナイキ トレイルを ACG(All Conditions Gear)に移すと書きました。「ペガサス トレイル」の頭に ACG が付いたのは、このためです。
中身の変更は、発表と商品ページを合わせると4つ読めます。
| 場所 | 公式の説明 | 出どころ |
|---|---|---|
| 底のフォーム | ReactX をこれまでより多く入れ、底を高くした | 日本公式 |
| 底のゴム | 新しい底の形と、濡れた場所でのグリップを高めた All Terrain Compound 2.0 | 発表 |
| 靴型(ラスト) | トレイル専用の型に更新。つま先まわりを広げ、足を置く面にも余裕を足した | 発表 |
| 甲とつま先 | 水が抜けやすいエンジニアードメッシュ。つま先をゴムで巻いて守る | 発表 |
靴型は、靴を作るときに中へ入れる足の形の型です。日本公式は、つま先を広げた理由を、上りと下りで足が窮屈になりにくいことと説明しています。下りでは足が前へずれるので、つま先の余裕はロードより意味が大きくなります。
数字の差はどうか。公式は「多く入れた」「高くした」と書くだけで、何mm、何gとは言っていません。日本公式に前の世代のページも残っていないので、世代の間の重さの差は未確認です。
代わりに計算できるのは、同じ年のロードのペガサス 42 との差です。当サイトのナイキ2026年の新作6足の記事で読んだ数字では、42 は27cmで約287g、28cmで約300g、ドロップ10mm。
- 重さ(27cm):287 − 286 = 1g。トレイルの側が軽い
- 重さ(28cm):305 − 300 = 5g。こちらはトレイルの側が重い
- ドロップ:10 − 8 = 2mm。トレイルの側が小さい
つま先のゴムとトレイル用の底を足して、重さがほぼ動いていない。フォームを増やしたと書きながらこの数字に収めたところに、この世代の作りの細かさが出ています。
兄弟モデルとの違い:ACG の3足は、守りの量で分かれる
ACG の走る靴は3足あります。名前はそろっていますが、板とゴムとドロップが全部ちがいます。
| ペガサス トレイル | ゼガマ トレイル | ウルトラフライ トレイル | |
|---|---|---|---|
| 公式の地形の表示 | 中難度 | 高難度 | 低難度〜高難度 |
| 板 | なし | 前足部にロックプレート | 端から端までカーボンの板 |
| 底のゴム | ナイキ自前(ATC) | Vibram メガグリップ | Vibram メガグリップ |
| ドロップ | 8mm | 4mm | 8.5mm |
| 重さ(27cm) | 約286g | 約315g | 約276g |
| 公式の値段 | 17,930円 | 27,060円 | 36,080円 |
ゼガマは、この靴より29g重く(315 − 286)、値段は1.51倍です(27,060 ÷ 17,930)。その差で手に入るのは、ZoomX、Vibram のゴム、岩から足裏を守るロックプレート、足首まわりの伸びる布。
ウルトラフライは逆に10g軽い(286 − 276)。ただし値段の差は18,150円あります(36,080 − 17,930)。1g軽くするのに約1,815円という計算で、軽さを買う靴ではなく、カーボンの板と ZoomX を買う靴です。
- 林道、公園の土の道、家から走って行く低い山 → ペガサス トレイル
- 岩や根が続くコース、長い下りのある大会 → ゼガマ トレイル。ドロップが4mm下がる点だけ先に知っておく
- トレイルのレースで順位や時間をねらう → ウルトラフライ トレイル
- 岩場の大会が目的なら、ペガサス トレイルにはしないほうがいい。足裏を守る板が、公式の説明のどこにも無い
ほめる所
いちばんは、行き帰りの舗装路を勘定に入れた作りです。発表は、舗装路から砂利道、トレイル、その先の地形へ移れる靴と書いています。ロードの靴と1gしか違わない重さは、その説明と数字で合っています。
2つめは値段です。3足の中でいちばん低く、ロードのペガサス 42 との差は330円しかありません(17,930 − 17,600)。トレイル用のゴムとつま先の保護が、ほぼ同じ値段で付いてくる計算です。
3つめは選べる幅。メンズは13サイズで6色、防水の GORE-TEX 版があり、ウィメンズ版も同じ値段で日本公式に並んでいます。3足の中で、ここまでそろうのはこの靴だけです。
発表によると、開発にはトップ選手の集まり(All Conditions Racing Department)に加えて、数百人のふつうのトレイルランナーが試し履きで関わっています。
入り口の靴を、入り口にいる人で確かめた。この順番は信用できます。
気をつける所
地形の表示は「中難度のコース向け」です。ゼガマの「高難度」とは、公式が自分で線を引いています。
理由は部品を見るとわかります。板が無く、ゴムは Vibram ではなくナイキ自前。とがった石を踏む場面の守りは、3足でいちばん薄い作りです。
数字の少なさも弱点です。底の厚さとラグの深さは、発表にも商品ページにもありません。「底を高くした」と書きながら、何mmかは読めない。厚さを数字で比べて決めたい人には、材料が足りません。
GORE-TEX 版は、値段が9,130円上がります(27,060 − 17,930)。これはゼガマとちょうど同じ値段です。防水に払うか、岩場の守りに払うか。同じお金で、行き先がまったく変わります。
向く人・向かない人
- 向く人:トレイルの最初の1足を探している人。ロードのペガサスを履いていて、近い重さのまま土の道に入りたい人。舗装路と山道が半々のコースを走る人
- 向く人:色とサイズを選びたい人、同じモデルの防水版も持ちたい人
- 向かない人:岩場や長い下りが続く大会に出る人。ここはゼガマの持ち場です
- 向かない人:ロードしか走らない人。ペガサス 42 のほうが安く、幅広の版もあります
- 買わなくていい人:ロードの靴で公園の土の道を走っていて、すべって困った場面が無い人
値段と買い方
| モデル | 公式の値段 | 楽天の値段 |
|---|---|---|
| ACG ペガサス トレイル | 17,930円 | 17,800〜83,500円 |
| 同 GORE-TEX 版 | 27,060円 | — |
| ペガサス トレイル 5(前の世代) | 日本公式に掲載なし | — |
| ACG ゼガマ トレイル | 27,060円 | — |
買い方は2つに分かれます。つま先の広さと新しいゴムが欲しい人は、ACG の付いた今の世代。名前に ACG が無い「ペガサス トレイル 5」は前の世代で、店に残っている分だけです。
前の世代を選ぶなら、つま先まわりは広げる前の靴型だと知ったうえで選びます。サイズが残っているかどうかが先に来るので、欲しい色より、合うサイズがあるかを見ます。
ナイキ ACG ペガサス トレイル
楽天市場で見るよくある質問
サイズ感は、ロードのペガサスと同じですか
公式が書いているのは、靴型をトレイル専用に更新し、つま先まわりを広げたことです。ロードのペガサス 42 とは別の靴型なので、同じサイズで同じ当たりになるとは公式は言っていません。
メンズは24〜30cmの0.5cmきざみで13サイズ。幅広の版は、商品ページに記載がありません。30.5cmと31cmが要る人は、24〜31cmまである GORE-TEX 版の側になります。
GORE-TEX 版は、どれくらい重くなりますか
27cmで約291g。もとの版との差は5gです(291 − 286)。28cmの数字は約303gで、もとの版の約305gより2g軽く載っていました。どちらも商品ページの数字のままです。
つまり、防水の膜を入れても重さはほぼ変わりません。変わるのは値段で、9,130円の差です。雨と朝露の中を走る回数で決めます。
レースにも使えますか
公式の地形の表示は中難度までです。林道や整った登山道が中心の大会なら、表示の範囲に入ります。長い大会では靴のほかに必携品も決まっているので、トレイル4大会の必携品の記事に品目を並べました。
岩場の多い大会や100km級は、公式が「高難度」と表示するゼガマの側です。3足の違いは、ACG ゼガマ トレイルの記事とACG ウルトラフライ トレイルの記事に1足ずつ書いています。